著者
大島 英幹
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
E-journal GEO (ISSN:18808107)
巻号頁・発行日
vol.10, no.2, pp.145-151, 2016 (Released:2016-03-15)
参考文献数
17
被引用文献数
2

高等学校の教員は,新しい学習指導要領に対応して,GISの活用を工夫することが求められている.そのため,GISの専門家は,設備や予算に見合ったGISサイト・ソフトの選択や教員の指導,GIS教材の開発などを通じて,教員を支援してきた.本稿では,これらのGISの専門家による支援の事例をレビューした.その結果,GISを用いた地図を作成するよりもGISの地図を閲覧するための支援が重要であり,そのためにはGISの操作を録画した動画の制作が有効であることが明らかになった.
著者
大島 英幹
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画報告集 (ISSN:24364460)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.14-17, 2018-06-08 (Released:2022-06-08)
参考文献数
10

本稿では、2022年度からの高等学校必修科目「地理総合」の中で行われる、生活圏の地理的な課題解決の学習について、学習指導要領などにより現時点で明らかになっている情報を整理した。さらに、このような学習が、まちづくりに参加する大学生の技能向上やまちづくり市民活動の活性化、まちづくり合意形成の促進などをもたらす可能性を展望した。また、指導する高等学校教員自身に生活圏の地理的な課題解決の経験が少ないため、まちづくりや都市計画の専門家がこのような学習に対して支援する必要があり、学会や関係官庁が専門家の協力を得て支援を行うことが考えられることを示した。
著者
大島 英幹
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.2011, pp.194, 2011

<B>I はじめに</B><BR> 商業中心地の階層構造の変化については、根田(1985)が小地域の事業所統計を、橋本(1992)が職業別電話帳を用いて分析しているが、データ作成・解析の作業量が膨大になる。本研究では、商業統計立地環境特性別統計編の商業集積地区別集計を用いた簡便な方法により、広範囲にわたり、多時点の変化を商業集積地区(大規模小売店舗を含む商店街)単位で把握した。<BR><B>II 研究方法</B><BR> 東京南西郊外の私鉄5路線のターミナル駅を除いた108駅について、駅周辺の商業集積地区の商品販売額が両隣の駅周辺よりも多い場合、「上位の中心地」とした(図1)。1979~2007年の間の6時点について、上位の中心地が隣の駅と入れ替わるかどうかを見た。<BR><B>III 中心地の階層構造の変化</B><BR> 2007年時点の上位の中心地41駅のうち6駅は、1979年時点では隣の駅の方が上位の中心地であった。中央林間駅の場合、商品販売額の増加が隣の南林間駅の増加を追い抜いている(図2)。湘南台駅と長後駅、新百合ヶ丘駅と百合ヶ丘駅も同様である。日吉駅の場合は、商品販売額が増加するのと同時に、隣の綱島駅の商品販売額が減少して入れ替わった。海老名駅と本厚木駅も同様である。菊名駅の場合、隣の大倉山駅と抜きつ抜かれつを繰り返している。<BR> これに対し、あざみ野駅の場合、商品販売額が増加を始めるものの、隣のたまプラーザ駅には追い付けなかった。相模大野駅と町田駅も同様である。<BR><B>IV 階層構造変化の要因</B><BR>階層構造変化の要因として、駅間距離、乗り入れ路線の増加、大型小売店の出店、都市計画の誘導、人口の密度および世代構成などが考えられる。<BR><B>参考文献</B><BR>根田克彦 1985.仙台市における小売商業地の分布とその変容-1972年と1981年との比較-.地理学評論58(Ser. A)-11 715~733.<BR>橋本雄一 1992.三浦半島における中心地システムの変容.地理学評論65A-9 665-688.<BR>