著者
岩瀬 和裕 竹中 博昭 阪口 勝彦 大畑 俊裕 石坂 透 高垣 元秀 大嶋 仙哉
出版者
Japan Surgical Association
雑誌
日本臨床外科医学会雑誌 (ISSN:03869776)
巻号頁・発行日
vol.54, no.4, pp.907-910, 1993-04-25 (Released:2009-01-22)
参考文献数
9

持続的気腹時間が70分を越える気腹圧12mmHgでの腹腔鏡下胆嚢摘出術の3例において,腎機能を経時的に測定した.血漿中ヒト心房性利尿ホルモン濃度,血漿中レニン活性,血漿中アンギオテンシンII濃度,自由水クリアランス,ナトリウム排泄分画ならびにカリウム排泄分画は一定の変動を示さなかった.チオ硫酸ナトリウムクリアランスは気腹中にやや低下する傾向が認められた.パラアミノ馬尿酸クリアランスは気腹開始後に漸減し,気腹中は気腹開始前ならびに気腹終了後に比して低値を示した.気腹圧12mmHgといえども,長時間の持続的気腹においては有効腎血漿流量の低下により一時的に尿量が低下する可能性が示唆された.
著者
門田 康正 正岡 昭 西川 栄郎 前田 昌純 中原 数也 大嶋 仙哉 谷 靖彦 清家 洋二 中岡 和哉 谷岡 恒雄 篭谷 勝巳
出版者
特定非営利活動法人 日本肺癌学会
雑誌
肺癌 (ISSN:03869628)
巻号頁・発行日
vol.19, no.1, pp.59-70, 1979-03-31 (Released:2011-08-10)
参考文献数
30

I期からIV期までの原発性肺癌患者32例を対象に健康人新鮮白血球の輸注を実施した.本法単独では腫瘍縮少効果は認められなかったが, アジュバント治療として術後や放射線治療後の再発, 転移の防止, 腫瘍縮少状態維持の効果は期待できる.また本法による生存期間の延長, 全身状態 (Status Index) の改善が認められ, この効果はIII, IV期の姑息手術例, 手術不能例の末期患者にもみられた.副作用として血清肝炎がみられたほか, 重篤なものはみられなかった.
著者
西村 好晴 竹中 博昭 岩瀬 和裕 矢倉 明彦 吉留 克英 大西 隆仁 高垣 元秀 石坂 透 別所 俊哉 大畑 俊裕 井上 匡美 大嶋 仙哉 田中 智之 片井 敦雄
出版者
Japan Surgical Association
雑誌
日本臨床外科医学会雑誌 (ISSN:03869776)
巻号頁・発行日
vol.53, no.11, pp.2569-2573, 1992-11-25 (Released:2009-03-31)
参考文献数
11

術後MRSA腸炎の重症化に影響を及ぼす因子と補助診断法につき検索した.対象症例12例を重症群6例,軽症群6例に分けた.重症群とは腎機能障害を併発した症例, 39℃以上の発熱を認めた症例,あるいは維持輸液以外に1日2,000ml以上の輸液負荷を要した症例とした.術前,術中の諸因子に有意な(p<0.05)差はなかった.腸炎発症までの術後日数は重症群が3.7±1.1日と軽症群の7.1±2.7日に比し有意に短かった.腸炎発症時の白血球数は両群間で有意差はなかったが,核左方移動係数は重症群が72±26%であり,軽症群の6±4%に比し有意に高値であった. Toxic Shock Syndrome Toxin-1 (TSST-1)の最高希釈倍数は重症群が27.4±0.4倍であり,軽症群の26.6±0.5倍に比し有意に高値を示した.腸炎発症までの期間が4日以内であること,腸炎発症時の核左方移動係数が高値であること, TSST-1の最高希釈倍数が高値であることは重症化を示唆すると考えられた.