著者
重信 晃太 大津 金光 大川 猛 横田 隆史
雑誌
研究報告システム・アーキテクチャ(ARC) (ISSN:21888574)
巻号頁・発行日
vol.2017-ARC-227, no.39, pp.1-6, 2017-07-19

近年,モバイル機器や組込み機器はマルチコアプロセッサや GPU などの処理装置を備えたものが普及している.これらの機器を最大限活用するためには,プログラムを実行機器の環境に合わせて最適化する必要がある.そこで我々は LLVM をベースとして実行機器上で ARM バイナリコードを実行機器の環境に合わせて自動で最適化するシステムを開発している.LLVM の最適化処理は LLVM の中間表現 (IR) に対して行われるため,ARM 機械語をLLVM IR に変換する ARM 機械語フロントエンドが重要となる.後の最適化の為に,生成される LLVM IR は最適化がしやすい表現である必要があるが,その表現は自明なものではない.本稿では変換の第一段階としてソースコードから生成される IR と同等の IR を生成する変換手法について検討し,その手法を適用した結果について述べる.
著者
大川 猛 菅田 悠平 木戸 剛正 若槻 泰迪 大津 金光 横田 隆史
雑誌
研究報告組込みシステム(EMB) (ISSN:2188868X)
巻号頁・発行日
vol.2018-EMB-48, no.3, pp.1-2, 2018-06-22

ROS2 (Robot Operating System version 2) は,知的ロボットの分散ソフトウェア開発プラットフォームとして普及が期待されている.ROS2 における通信レイヤとして用いられる DDS (Data Distribution Service) は,分散ソフトウェアにおいて,通信するトピックごとに細かな QoS (Quality of Service) ポリシーが設定可能であることが特徴である.一方,FPGA (Field Programmable Gate Array) は,知的ロボットの実現に必要な画像認識処理を,高い電力効率での並列処理が可能であるが,高性能な回路の設計が難しいという課題がある.本稿では,FPGA を用いて DDS に準拠した Publish / Subscribe 通信を行うための調査および初期検討結果について報告する.
著者
辻祐喜 十鳥弘泰 大津金光 大川猛 横田隆史 馬場敬信
雑誌
第75回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2013, no.1, pp.373-374, 2013-03-06

新規アーキテクチャの開発では,評価条件を変えながら繰り返しシミュレーションを行う必要があり,プログラムの種類や規模によってシミュレーションが長時間に及ぶことがある.中にはシミュレーションが長時間経過した後,初めて発現するバグがあり,このバグの原因場所を特定する方法の1つに,シミュレーションを最初からやり直し,バグが発現した場所付近で変数等の値を調べる方法があるが,実行が長時間に及ぶプログラムにおいてこの方法は非効率といえる.そこで,本稿では任意の場所で実行中のプロセス状態を保存し,保存した状態から実行再開することでバグの原因場所を見つけるまでの時間を短縮する方法を提案する.
著者
木戸 剛生 大川 猛 大津 金光 横田 隆史
雑誌
第81回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2019, no.1, pp.53-54, 2019-02-28

Publish/Subscribe通信プロトコルであるDDS(Data Distribution Service)の暗号処理のハードウェア化について検討を行った。Publish/Subscribe通信における暗号処理をハードウェアで高速化し、低消費電力かつセキュアで、応答性の高い通信機能のずつ元を提案する。Raspberry PiとノートPCを用いて、DDS実装であるFast RTPSの暗号処理時間について計測を行った。本研究においては通信フレームワークの暗号処理をハードウェア化することで、セキュアな通信機能を容易にシステムに追加することを可能とすることを目的とする
著者
荒井裕介 大津金光 大川猛 横田隆史 馬場敬信
雑誌
第75回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2013, no.1, pp.219-220, 2013-03-06

Androidは,スマートフォン用OSとしては日本およびアメリカでトップシェアを誇っており,1人が1台のAndroid端末を所持していると言っても過言ではない.またAndroid端末は,Wi-FiやBluetoothといった無線通信手段を持っており,これらの通信手段を利用することで複数の端末間での相互通信が可能である.このような端末間での相互通信を利用することでクラスタ計算機としてのシステムを実現することができ,多くの端末が集まるような機会を利用して大規模な演算を行うことが可能となる.本稿では,ネットワークによって相互に接続された複数のAndroid端末を使用したクラスタ計算機システムの概要とその構築について述べる.
著者
新里 将大 大津 金光 大川 猛 横田 隆史
雑誌
第80回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2018, no.1, pp.137-138, 2018-03-13

近年,高性能化が進むモバイル端末を,並列処理の計算資源として利用することが期待されている.我々は,Android端末を使用し,MPIによる並列処理を行うクラスタ計算機システムを開発している.本システムは,MPI並列処理を行うためにAndroid端末のスーパーユーザ権限の取得が必要である.しかし,Android端末のスーパユーザ権限取得作業は,端末が起動不可になるなどの危険をともなう.本稿では,Android端末上で,スーパーユーザ権限を使用せずにMPI並列処理を行うための実行環境について検討する.
著者
神宮 健吾 大津 金光 大川 猛 横田 隆史
雑誌
研究報告システム・アーキテクチャ(ARC) (ISSN:21888574)
巻号頁・発行日
vol.2018-ARC-231, no.16, pp.1-6, 2018-06-07

現在,マルチコアプロセッサが広く普及しており,スレッドレベル並列処理によるプログラムの高速化が可能となっている.一方,その性能を活用するためには並列化された機械語プログラムが必要であるが,数多くの逐次処理機械語プログラムが存在しており,それらはマルチコアプロセッサの性能を活かせないままである.これらをマルチコアプロセッサ上で高速化するためには, ソースコードの並列化と再コンパイル処理という追加的なコストが必要となる.この問題に対して,機械語プログラムをバイナリ変換によって直接並列化する手法が有効である.これを背景に,我々は逐次機械語プログラムから,最適化された並列処理コードへ変換する自動並列処理システムを開発している.本稿では,機械語プログラムをコンパイラ基盤 LLVM の中間表現コードへと変換し,中間表現レベルでの並列化処理において,解析とコード生成を分離するためのインターフェースとなる並列化指示文とそれに基づく並列処理コード生成機能を実現する.プロトタイプの実装を用いた実験により,シングルループの並列化指示文と並列処理コード生成機能により並列の中間表現コードが生成できることを確認した.