著者
高前田 伸也
雑誌
研究報告組込みシステム(EMB) (ISSN:2188868X)
巻号頁・発行日
vol.2015-EMB-38, no.1, pp.1-1, 2015-08-21

利用者が構成の変更が可能なデバイスである FPGA は幅広い用途に利用されており,評価ボードの低価格化・小型化に伴ってソフトウェア技術者などにも広まりつつある.開発方式は抽象度が高まりつつあり,アプリケーションを IP コアという形でパッケージ化し,EDA ツール上でそれらを組み合わせることにより,システムが実現できる.本講演ではまず,FPGA システムと高位合成技術の最新動向について解説する.その後,Python による高位合成とメモリシステムの抽象化を用いたポータブルな設計フレームワークである PyCoRAM と,それを支える Python によるハードウェア構成の解析ツールを紹介する.最後に,参加者と共に今後の高位設計環境に求められるものは何かを議論し明らかにする.
著者
細合 晋太郎 高瀬 英希 出分 卓矢 菊地 俊介
雑誌
研究報告組込みシステム(EMB) (ISSN:2188868X)
巻号頁・発行日
vol.2023-EMB-62, no.54, pp.1-7, 2023-03-16

著者らは,並行性能および堅牢性に優れた関数型言語 Elixir の ROS 2 クライアントライブラリである Rclex(https://github.com/rclex/rclex)の研究開発を OSS にて進めている.現行の Rclex は ROS 2 がインストールされた実行環境を想定しており,ROS 2 および 64 ビットの Ubuntu に強く環境依存している.本研究では,Rclex の移植性の向上および適用範囲の拡大のため,Elixir の IoT フレームワークである Nerves への対応に取り組む.具体的には,ROS 2 環境が整備された Docker イメージから,Rclex の実行に必要なライブラリを Nerves のファイルシステムに配置できるようにする.Rclex 環境を含む Nerves ファームウェアのビルドについては,専用の Mix タスクを提供し,通常の Elixir プロジェクトの開発と同じ流儀で実行できるようにする.産業用リアルタイム OS コントローラである e-RT3 Plus を用いた活用事例を示し,さらに定量的評価では Nerve s対応が通信性能に大きな影響を与えないことを確認する.本研究の成果である Rclex on Nerves によって,Rclex の適用範囲を IoT デバイス向けに拡大させることができる.Elixir 技術者にとって ROS 2 の通信技術の導入を容易化させるだけに留まらず,ROS 技術者にとっても最小限かつ堅牢性の高い ROS 2 プラットフォームを構築できることに貢献する.
著者
野村 孔命 髙島 康裕 中村 祐一
雑誌
研究報告組込みシステム(EMB) (ISSN:2188868X)
巻号頁・発行日
vol.2016-EMB-40, no.33, pp.1-6, 2016-03-17

本稿では,タスクの実行時間と Processing Element(PE) の消費電力がばらつくシステムにおいてのスケジューリング手法を提案する.近年,実行時間と消費電力のばらつきを考慮したタスクの割り当てとスケジューリング (TAS) は,マルチプロセッサシステムが正しく動作するために必要である.従来手法では,TAS を行った後,実行時間と電力の歩留まりを評価していた.しかし,この方法では目標となる歩留まりを得るまでに,何度も TAS を実行しなければならず,設計時間が膨大になってしまう.そこで,本稿では,両ばらつきが正規分布に従うという仮定に基づいて,まず,電力制約をある確率で満たす PE の組み合わせを計算し,その組み合わせだけを利用した上で実行時間最小となる Power and Execution Variation-Aware Scheduling(PEVaS) を提案する.実験により,従来手法と比較し,性能が向上していることを確認した.
著者
柿本 翔大 松原 克弥 高瀬 英希
雑誌
研究報告組込みシステム(EMB) (ISSN:2188868X)
巻号頁・発行日
vol.2023-EMB-62, no.51, pp.1-7, 2023-03-16

ロボットソフトウェアの開発において,Robot Operating System(ROS)の利用が拡大している.ROS は,クラウドサーバと連携した分散型のロボットシステムの構築にも有用であるが,各機能モジュールであるノードの配置はシステム稼働前に決める必要がある.しかし,システム稼働前に推測困難な状況変化により,システム起動時に決めたノード配置が最適でなくなる可能性がある.さらに,クラウドとロボットでは,CPU アーキテクチャが異なる場合が多く,稼働中のノードを実行状態とともにクラウド・ロボット間で再配置することは技術的に難しいという課題がある.本研究では,ROS ノードの動的配置機構の検討を目的として,組込みデバイス向け ROS 2 ランタイム実装である mROS 2 を WebAssembly ランタイム上で動作させることで,アーキテクチャ中立な ROS ノード実行状態を実現する.本稿では,mROS 2 を WebAssembly 上で動作させるために実装すべき機能を明らかにして,WebAssembly 化による実行時性能への影響を実験結果により示す.
著者
高瀬 英希 上野 嘉大 山崎 進
雑誌
研究報告組込みシステム(EMB) (ISSN:2188868X)
巻号頁・発行日
vol.2018-EMB-48, no.5, pp.1-8, 2018-06-22

2012 年に登場した Elixir は,Erlang VM 上で動作する関数型言語であり,分散システム対応でスケールしやすく,軽量で耐障害性が高いという特徴がある.習熟容易性および開発生産性が高く,並列処理のプログラミングが容易に実現できる.Elixir の Web アプリケーションフレームワークとしては Phoenix が知られている.本稿では,IoT システムの構築における Elixir の有用性を議論する.IoT システムにおいて多く採用される IoT ボードに Elixir / Phoenix の実行環境を整備し,種々の性能を評価できる動作するベンチマークスイートを用意する.これによって各種 IoT ボードにおける Elixir / Phoenix の実行性能を基礎評価し,IoT システムへの導入に向けた有用性を定量的に議論する.評価の結果,Elixir の並列処理性能は IoT システムにおいても発揮されること,Phoenix サーバについても IoT システムに十分な応答性能を得られることが示された.
著者
西田 耀 木村 啓二
雑誌
研究報告組込みシステム(EMB) (ISSN:2188868X)
巻号頁・発行日
vol.2020-EMB-53, no.14, pp.1-6, 2020-02-20

アプリケーションの耐障害性を向上させる手法の一つにチェックポインティングがある.これまでに,アプリケーションを変更することなく透過的にチェックポイントを行う手法がいくつか発表されている.また,Non-volatile DIMM (NVDIMM) を状態の保存先として利用することで,主記憶に比べて 100 倍以上遅い外部記憶へのアクセスに依存することなくチェックポイントを行う手法が提案されている.しかし,DRAM で構成された主記憶から不揮発性の記憶装置に状態をコピーするという操作は依然存在しており,これがチェックポイントのオーバーヘッドの大部分を占めている.本研究では,アプリケーションを NVDIMM 上に直接マッピングして実行することで状態のコピーを最小限に抑え,さらにページテーブルも含めたプロセスのメモリ空間を二重化して一貫性を確保しつつチェックポインティングを行う,NDCKPT という手法を提案する.Linux Kernel に NDCKPT を実装し,Optane DC Persistent Memory を用いて評価を行った結果,メモリ消費量が 1MB 程度のアプリケーションでは,100ms 程度の高頻度でチェックポイントを行っても実行時間の増加を 1% 以下に抑えられることがわかった.また,数百 MB のメモリを消費するアプリケーションにおいては,NVDIMM 上で実行を行うオーバーヘッドが支配的で実行時間比で 2 倍から 3 倍以上となる一方,チェックポイントによって加わるオーバーヘッドは 20-30 秒間隔で 10% 前後となることがわかった.
著者
西 将輝 宍戸 哲平 李 欣怡 木村 啓二 佐野 健太郎
雑誌
研究報告組込みシステム(EMB) (ISSN:2188868X)
巻号頁・発行日
vol.2023-EMB-62, no.7, pp.1-6, 2023-03-16

深層学習が様々な場面で利用されるようになり,それと共に学習データや入力データ,推論結果,さらには学習モデルの保護が問題となりつつある.そのため,データを暗号化したまま演算処理できる準同型暗号による深層学習が注目されている.しかしながら,準同型暗号による演算コストは高く,これまでに, 並列化やハードウェアアクセラレータの利用といった様々な高速化手法が提案されている.一方筆者等は,深層学習の推論処理において多くのビット数が必要としないことに注目し,ビット削減版準同型暗号を利用した深層学習推論を提案してきた.本稿ではまず,ビット削減版の深層学習処理を準同型暗号ライブラリ SEAL とSEAL を用いた深層学習フレームワーク HE-Transformer に実装し,Intel Xeon プロセッサ上で評価した.さらに,富士通 A64FX 上でビット削減版準同型暗号を実装し評価を行なった.評価の結果,CryptoNets を用いた MNIST データセットの分類においてオリジナルの nGraph-HE2 に対し Intel Xeon 上で最大で 9.37 倍の速度向上が得られた.また,富士通 A64FX 上で行列積を評価した結果,Intel Xeon W-2145 と比較して,最大 1.08 倍の速度向上が得られた.
著者
西村 惇 松原 豊 高田 広章
雑誌
研究報告組込みシステム(EMB) (ISSN:2188868X)
巻号頁・発行日
vol.2023-EMB-62, no.48, pp.1-8, 2023-03-16

コンテナ型仮想化は,VM 型仮想化より資源効率や処理速度で優れており,組込みシステムを含め,多くの分野で利用が広まりつつある.コンテナを作成する低レベルランタイムはコンテナのアプリケーションの実行性能やセキュリティを大きく左右するため,最適な選択を行う必要がある.一方で,セキュリティ分野を筆頭に評価が十分になされておらず,評価方法も確立されていない.本研究では新たに評価ツールを実装し,x86_64 環境と ARM 環境で,アプリケーションの実行性能,リソース使用量,セキュリティの観点から,runc,crun,gVisor,Kata Containers の 4 つの低レベルランタイムの評価を行った.
著者
水谷 太貴 松原 豊 高田 広章
雑誌
研究報告組込みシステム(EMB) (ISSN:2188868X)
巻号頁・発行日
vol.2017-EMB-44, no.5, pp.1-6, 2017-03-02

先進運転支援システムや自動運転の実装により環境の変化が非常に加速している自動車業界では,車載システムの柔軟性や再利用性が求められるようになってきた.それらをサポートするため,サービス指向通信ミドルウェアである SOME / IP (ScalableService-Oriented MiddlewarE over IP) の標準化が進められている.車載ネットワークの通信ミドルウェアに対する性能要件として,サービスの利用確立までの遅延や,通信メッセージのリアルタイム性などがある.サービス指向はサービスをネットワーク上で連携させてシステムの全体を構築していくため,動的なネットワークの設計を行う必要がある.従来,静的にネットワーク設計を行っていた車載システムに比べてオーバーヘッドが増加することは明らかである.本研究では,SOME / IP の Service Discovery における通信確立遅延を測定し,考察する.
著者
大川 猛 菅田 悠平 木戸 剛正 若槻 泰迪 大津 金光 横田 隆史
雑誌
研究報告組込みシステム(EMB) (ISSN:2188868X)
巻号頁・発行日
vol.2018-EMB-48, no.3, pp.1-2, 2018-06-22

ROS2 (Robot Operating System version 2) は,知的ロボットの分散ソフトウェア開発プラットフォームとして普及が期待されている.ROS2 における通信レイヤとして用いられる DDS (Data Distribution Service) は,分散ソフトウェアにおいて,通信するトピックごとに細かな QoS (Quality of Service) ポリシーが設定可能であることが特徴である.一方,FPGA (Field Programmable Gate Array) は,知的ロボットの実現に必要な画像認識処理を,高い電力効率での並列処理が可能であるが,高性能な回路の設計が難しいという課題がある.本稿では,FPGA を用いて DDS に準拠した Publish / Subscribe 通信を行うための調査および初期検討結果について報告する.
著者
高瀬 英希 祐源 英俊
雑誌
研究報告組込みシステム(EMB) (ISSN:2188868X)
巻号頁・発行日
vol.2022-EMB-59, no.37, pp.1-8, 2022-03-03

分散型のロボットシステムにおけるエッジデバイスの応答性やリアルタイム性の向上および消費電力の削減などへの期待から,ROS 2 への組込み技術の導入に注目が集まっている.本研究の目的は,組込みデバイス向けの高効率な ROS 2 通信方式およびメモリ軽量な実行環境を確立することである.提案する実行環境である mROS 2 は,主に組込み向けの軽量プロトコルスタックおよびリアルタイム OS から構成される.最大の利点は,ホストデバイス上の ROS 2 ノードとの通信において,既存の環境では必須であった仲介の役割を担う Agent ノードを不要にできることである.本研究では,目的の実現に求められる設計要件を整理し,効率的な通信処理を実現するためのソフトウェア構成および動作フローを設計する.また,mROS 2 通信ライブラリとして提供する API は,汎用 OS 向けの ROS 2 のクライアントライブラリと互換性を保つようにする.提案手法を STM32 NUCLEO-F767ZI ボード上に実装し,本研究成果が通信性能に優れた分散ロボットシステムの実現に貢献することを示す.
著者
奥田 勝己 竹山 治彦
雑誌
研究報告組込みシステム(EMB) (ISSN:2188868X)
巻号頁・発行日
vol.2015-EMB-38, no.2, pp.1-8, 2015-08-21

命令セットシミュレータ (ISS:Instruction Set Simulator) は,組込みシステムの仮想開発環境の構築に不可欠なソフトウェアである.組込みシステムの開発では,新規アーキテクチャの CPU や専用プロセッサを含む多種多様なプロセッサが採用される.このため,組込みシステムの開発に ISS を適用するためには,ISS の構築を効率化する自動生成技術が必要である.ISSの命令デコーダを自動生成する手法は従来から存在するが,変則的な命令セットに対応した手法は確立されておらず,自動生成可能な命令セットは限定的である.そこで,本論文では変則的な命令セットに対応した命令デコーダ生成手法を提案する.一般に命令デコーダ生成手法は,デコードエントリの集合を分割しながら再帰的にデコードツリーを生成する.提案手法では,集合の分割時にオペコード情報のみでなく,除外条件を用いることで変則的な命令セットに対応することを特徴とする.ARM と MIPS64 を対象として提案手法を適用した結果,変則的な命令セットに対しても効率的な命令デコーダを生成可能であることを確認した.
著者
松井 真子 松延 拓生 満田 成紀 福安 直樹 鯵坂 恒夫
雑誌
研究報告組込みシステム(EMB) (ISSN:2188868X)
巻号頁・発行日
vol.2016-EMB-41, no.8, pp.1-8, 2016-05-26

近年,ウェブで利用されているアプリケーションは Rich Internet Application(RIA) が主流となっている.しかし,RIA は同一ページ内で動的に情報が更新されるため,支援技術を用いてウェブを利用するユーザには変化が伝わらない可能性がある.このようなアクセシビリティに関する問題を解消するには多大な労力を必要とする.そこで本研究では,HTML を対象に動的なオブジェクトの状態を把握するために WAI-ARIA の仕様を基に必要な HTML 属性記述を検討し,属性の記述方法の分類と系統化を行った.実際にユーザインタフェース (UI) を 22 種類作成し,UI の使用目的毎に分類した結果,入力系・表示系・操作系・ナビゲート系・部品系の大きく 5 種類に分類された.その後,分類毎に標準化すべき属性の記述方法を検討した.JavaScript ライブラリによって,Role 属性から UI の種類を判断し,必須の属性値を動的に付与するサポートが可能であると考えられる.
著者
佐藤 隆彦 三浦 啓太 藤倉 俊幸 安積 卓也
雑誌
研究報告組込みシステム(EMB) (ISSN:2188868X)
巻号頁・発行日
vol.2020-EMB-53, no.46, pp.1-9, 2020-02-20

自動車の運転手不足や高齢者による運転操作ミスが社会問題になっている.そのため,自動運転システムの開発が急がれており,自動車業界ではモデルベース開発が盛んに行われている.自動車機能安全規格ISO 26262 では,モデルベース開発において,Back-to-Back テストを行うことが要求されている.そのため,製品の動作環境に組込む際に,制御仕様と動作が一致しているかの検証をする必要がある.本研究では,自動運転ソフトウェア向けの Back-to-Back テストフレームワークを提案する.既に正しく動作しているモジュールと,その機能を移植したモジュールの入出力結果を保存・比較する.本論文では,MATLAB/Simulink で作成したモデルが正しく動いているかを,自動運転ソフトウェアである Autoware のモジュールを用いて Back-to-Back テストで評価する.
著者
出原 章雄 水口 武尚
雑誌
研究報告組込みシステム(EMB) (ISSN:2188868X)
巻号頁・発行日
vol.2019-EMB-50, no.1, pp.1-7, 2019-03-10

近年,汎用 Ethernet デバイスの低価格化,高機能化から,機器間の通信に,独自の専用バスではなく,汎用 Ethernet を使いたいという要求が高まっている.しかし,Ethernet は一般的にスループット向上を目指すベストエフォート型であり,通信の定周期性が問題となることが多い.そこで,IEEE は,Ethernet 上で時間制約のある通信を行うことを目的として,TSN (Time-Sensitive Networking) を策定中である.TSN を実現するためには,送信タイミングのスケジューリングが重要であり,この実現に向けて,Linux は,2018 年 10 月に ETF (Earliest TxTime First) 機能を導入した.本機能により,Network Interface Controller が搭載するフレーム送信タイミング指定機能を,アプリケーションから利用可能となる.そこで,組込み Linux 上での TSN 通信の実現可能性を確認するため,組込み機器上で ETF 機能を用いた場合のフレーム送信周期のぶれを評価した.結果,ETF 機能を利用しない通常送信において,1ms 周期のフレーム送信の最大値と最小値の差は 20us 程度となった.対して,ETF 機能を利用した場合,最大値と最小値の差は 55ns となり,送信タイミングのぶれは 10 ナノ秒オーダとなることが判明した.一般的な TSN 通信のユースケースではマイクロ秒の精度が求められるが,通常送信の場合,フレーム送信タイミングは最悪 20us 程度ぶれるため,TSN 通信は現実的でない.これに対し,ETF 機能を利用した場合,フレーム送信タイミングは 10 ナノ秒オーダのぶれに収まるため,組込み Linux においても TSN 通信が実現可能となる見込みを得た.
著者
早川 栄一 斎藤 直生
雑誌
研究報告組込みシステム(EMB) (ISSN:2188868X)
巻号頁・発行日
vol.2016-EMB-41, no.5, pp.1-6, 2016-05-26

ネットワーク帯域が狭い環境において,クラウド連携した組込みシステムの学習やシステムを構築するために Raspberry Pi を複数用いた可搬型のクラウド基盤システムを構築した.特徴は次のとおりである.(1) 省リソースで仮想環境を利用可能なようなコンテナ型のクラウドシステム,(2) 物理リソース状態を可視化可能なようにボードごとの LED を用いたリソース可視化機構,(3) 従来のクラウド管理ソフトウェアと比べて軽量小型のクラウド基盤システムの実現.
著者
渡部 卓雄
雑誌
研究報告組込みシステム(EMB) (ISSN:2188868X)
巻号頁・発行日
vol.2017-EMB-45, no.2, pp.1-6, 2017-06-23

マイクロコントローラ等の小規模組み込みシステム向けに設計された関数リアクティブプログラミング (FRP) 言語のための自己反映計算機構を提案する.提案方式では,時変値を介した実行系内部へのアクセスを可能にすることで,自己反映計算もリアクティブな操作として実現されている.本機構の導入により,小規模システムでの実行を考慮して静的に実現されている言語の実行系に,ある程度の柔軟性と適応性を与えることが可能になる.
著者
田村 佳愛 渡辺 晴美
雑誌
研究報告組込みシステム(EMB) (ISSN:2188868X)
巻号頁・発行日
vol.2017-EMB-45, no.5, pp.1-2, 2017-06-23

本稿では,開発時の各メンバーの共通理解を築くために,感情推移の可視化 ・ 共有 ・ 記録を行うシステムについて述べる.思考の共通理解を容易にするユーザーストーリーマッピングという技術があるが,共通理解が合意まで結びつかないという課題がある.本稿では,これらの課題を解決するために,感情推移を可視化させるシステムについて提案する.
著者
細合 晋太郎
雑誌
研究報告組込みシステム(EMB) (ISSN:2188868X)
巻号頁・発行日
vol.2016-EMB-43, no.7, pp.1-4, 2016-11-04

組込みシステムにおけるデバイスドライバ開発では,対象とするハードウェアデバイスに関する情報が必要となる.多くのハードウェアデバイスは PDF 形式のハードウェアデータシートが提供されており,ソフトウェア開発者はこのデータシートを元にしてデバイスドライバを開発する.PDF はどのような環境でも同一の表示を得ることができ,人が読むには適した形式であるが,文書構造に関する情報を持たないため,プログラムにより情報を抽出し自動処理等に用いることが難しい.本稿では,PDF の解析を行い,構造情報を再構成することにより,PDF から必要な情報を抽出する方法の提案と,利用方法の一例について述べる.