著者
大庭 雅道
出版者
一般財団法人電力中央研究所
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2017-04-01

高解像度大規模気候予測アンサンブルデータを用いて、日本に域における風力発電量の将来の変化について調べた。+4度温暖化実験の計算結果を分析した結果、数%程度の風力発電量の低下傾向が見られた。特に夏から秋にかけて全域で減少傾向、冬から春にかけては日本の北で増加、南で減少する傾向が見られた。気象パターン分類により気象場の発生数を分析したところ、この変化は前者では擾乱成分の発生数が、後者では気候背景場の変化が主要因となっていることが示された。
著者
植田 宏昭 小塙 祐人 大庭 雅道 井上 知栄 釜江 陽一 池上 久通 竹内 茜 石井 直貴
出版者
社団法人日本気象学会
雑誌
天気 (ISSN:05460921)
巻号頁・発行日
vol.58, no.9, pp.777-784, 2011-09-30

筑波山の東西南北4斜面上に,標高約100m間隔で気温ロガーを設置し,2008年6月1日から2009年5月31日までの期間において,30分間隔の通年観測を行った.斜面温暖帯を定量的に議論するために,麓からの逆転強度を斜面温暖帯指数(Thermal Belt Index;TBI)として定義した.TBIの大きさは,冬季を中心に極大となり,標高200〜300mを中心に斜面温暖帯が形成されていた.斜面温暖帯の年間発生日数を各斜面で比較すると,西側103回,東側99回,南側59回,北側35回であった.斜面温暖帯を規定する広域の逆転現象との関係を議論するために,平野部に設置されている気象観測鉄塔データと斜面上の気温を比較した.