著者
長尾 恭史 小林 靖 大高 洋平 齊藤 輝海 大林 修文 大隅 縁里子 水谷 佳子 伊藤 洋平 田積 匡平 西嶋 久美子 森 俊明
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.567-572, 2020-06-10

要旨 【背景】入院の原疾患が脳卒中以外による急性期重度摂食嚥下障害患者に対する,完全側臥位の導入による帰結の変化について検証した.【対象】入院前Eating Status Scale(ESS)4以上であったが,入院後Dysphagia Severity scale(DSS)2以下の嚥下障害を認め嚥下内視鏡を実施した,原疾患が脳卒中以外の58名.【方法】評価姿勢として,完全側臥位を選択肢の1つとして導入した2016年4〜9月の37名(男性28名,平均年齢81.3±12.9歳)を側臥位導入群,導入前の2015年4〜9月の21名(男性15名,平均年齢79.8±10.9歳)を未導入群とし,両群間で帰結を比較した.【結果】退院時ESS 3以上の患者は側臥位導入群18名(48.6%),未導入群は4名(19.0%)であった(p=0.026).院内肺炎合併数は側臥位導入群6名(16.2%),未導入群8名(38.1%)であった(p=0.061).また,側臥位導入群は退院時ESS 3以上に関連する独立した因子であった(オッズ比6.62,95%信頼区間1.24〜35.25,p=0.027).【結語】完全側臥位は急性期摂食嚥下障害の治療戦略として効果的である可能性が示唆された.