著者
大森 峰輝
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.48, no.4, pp.73-80, 2001-11-30 (Released:2017-07-19)
参考文献数
28

高層居住は我々にとって好ましくないことであるというような指摘や報告がされる場合がある。本稿では、これらに係る著述の論拠を探り、高層・超高層集合住宅の住環境デザインに際しての設計指針について検討した。その結果は、以下のようにまとめられる。1)高層居住に対する批判の論点は、生理・心理的影響、外出や子供の遊びなどの行動制約と拘束の問題、日常生活の安全性の問題の3つに分類できる。2)生理・心理的な影響、行動制約や拘束を回避するには、遊び場やコミュニティ・スペースを分散配置する等の対策を検討すべきである。3)犯罪や事故の原因が、必ずしも高層であることによるものだとは言えない。しかし、居住者の自治意識・連帯感を高める上で、住戸タイプ(間取り)の複合等の対策により居住者の年齢・家族構成等について配慮すべきである。
著者
櫻井 君紀 大森 峰輝 小林 正
出版者
豊田工業高等専門学校
雑誌
豊田工業高等専門学校研究紀要 (ISSN:02862603)
巻号頁・発行日
vol.40, pp.97-104, 2007

本稿では想起エレメント法を用い、学生の豊田高専周辺の環境についての意識を調査、分析した。その結果は以下のようにまとめられた。1)生活(居住)年数が増すごとに周辺の環境を認知する度合いは増すが、比例的に増加するのではなく、1年から3年の間に急速に増加し、それ以後は緩やかであることが明らかとなった。2)ショッピングセンター、商店施設等は女性の認知が高く、「買い物」に関しては女性のほうが周辺環境を意識していると考えられた。3)徒歩、自転車を移動手段とする学生の想起率には大きな差異は無かった。しかし、車(バイク)に乗ることにより、行動範囲が広がり、周辺環境の認知が大きく高まることが明らかとなった。4)個人の年齢、移動手段等に左右されるものの、中心となるのは梅坪駅、豊田市駅周辺であり、そこから半径約3km以内であると推測できた。また、建築物の認知についても、外観だけではなく、立地、用途等によって認知に差が現れることが確認できた。