著者
松浦 大輔 大下 智彦 永野 義人 大槻 俊輔 郡山 達男 松本 昌泰
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
vol.48, no.3, pp.191-195, 2008 (Released:2008-04-15)
参考文献数
20
被引用文献数
7 8

症例は63歳男性である.47歳時に関節炎と皮膚潰瘍を発症し,血管炎をともなう慢性関節リウマチ(悪性関節リウマチ)と診断され,プレドニゾロンとシクロスポリンAの内服治療を受けていた.今回,頭痛,痙攣を主訴に来院し,リンパ球優位の髄液細胞数増多,頭部MRIで左大脳半球の脳表に限局した病変をみとめた.病変部位はFLAIR画像にて高信号を呈し,病変の一部は拡散強調画像でも高信号を呈した.ステロイドパルス療法をおこない,症候,検査所見とも改善した.リウマチ性髄膜炎はまれな疾患であるが,一側テント上に限局する軟膜病変を呈しやすく,本例ではFLAIR画像と拡散強調画像の併用が病変の経時的な評価に有用であった.
著者
瀬川 亜希子 大下 智彦 三好 美智恵 越智 一秀 大槻 俊輔 郡山 達男 松本 昌泰
出版者
The Japanese Society of Internal Medicine
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.97, no.11, pp.2794-2796, 2008-11-10

ムコ多糖症は,通常ほとんどが乳幼児~青年期に肝脾腫,ガーゴイル様顔貌,臍ヘルニア,関節拘縮,巨舌等の所見により診断される.今回,50歳代で初めて撮像した頭部MRIで,多数の血管周囲腔拡大像などの特徴的な所見によりムコ多糖症を疑われScheie病の診断に至った姉妹例につき,鑑別診断上の意義を含め報告する.<br>