著者
大江 ひろ子
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告情報システムと社会環境(IS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2009, no.32, pp.1-8, 2009-03-11
被引用文献数
1

現在、国連は 「持続可能な開発のための教育 (Education for Sustainable Development (以下、ESD と略す。)」 の 10 年 (2005 年~2014 年) の取り組みを推進中である。これは、2002 年、ヨハネスブルグサミットでのわが国の提案を経て、第 57 回国連総会で実施が決議されたものである。ESD は、持続可能な開発の実現に必要な教育への取り組みを積極的に推進するよう各国政府に働きかける国連の戦略プロジェクトであり、環境問題や、人材育成に取り組む関係者が相互に協調しながら持続可能な社会づくりを進める上で、既存の社会ネットワークアクターの協働に期待しようとする色彩が顕著である。本稿では、ICT と教育という視軸から、図書館や美術館といった社会教育施設の ESD 拠点としての活用可能性を検討した。The ESD project, "Education for Sustainable Development" is now in action by the United Nations, and it is now in the midst of the period, whose duration is 2005-2014. This ESD strategic project was proposed at the Johannesburg Summit in 2002 by the Japanese delegation, followed by the resolution at the 57th UN plenary. ESD requires member nations to implement positive policies towards realizing necessary educational plans to support sustainable development, and there, it can be observed the clear implications that experts in the related fields such as environment, human capital training should collaborate with each other under the scope of existing social network actors' co-operation. In this study, from the view points of ICT and education, the potential role of social education facilities such as libraries and museums as a platform of ESD proceeding is discussed and policy implication, how and with which resources ESD objective should be sought is presented.
著者
山岡 泰幸 大江 ひろ子
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告情報システムと社会環境(IS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2009, no.32, pp.9-15, 2009-03-11

企業は世界的な競争環境のなかで、生き残りをかけた熾烈な戦いを続けている。次世代を担う優秀な新人が獲得できるかどうかは、組織の存亡に関わると行っても過言ではない。次世代に企業から期待されるコミュニケーション能力とは何かに着目すると、組織牽引の要素には単独リーダーシップとチームの総合力を高める触媒としての役割がある。本研究では後者が重要であると仮定し、それを実証するために、ある課題を学生にグループワークさせた。その課題達成までの行動やリーダーシップの発揮のしかたで、作業効率に差がでることを実証的に確かめた。Companies are trying to survive in a situation of harsh world wide competition every day. Whether a company can obtain capable freshmen is one of the highest concerns to the business continuation. There are two kinds of organization towage, one is solo leadership, the other is catalytic capability to move foreword a team. We observed that catalytic communication ability was a key element that companies require, through experimental research conducted with university students.
著者
中村 隆志 大江 ひろ子
出版者
情報文化学会
雑誌
情報文化学会誌 (ISSN:13406531)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.11-18, 2010-09-07
被引用文献数
1

「ケータイのディスプレイを"見せる"行為」を非言語コミュニケーションと捉えて,そのコミュニケーションの実態を調査した。アンケートの結果から,ケータイのディスプレイを見せる側,すなわち「送り手」は,同じコンテンツを共に楽しんで,その評価を「受け手」と共感したいという意向を持っていること,その一方で,ディスプレイを見せられる「受け手」の方は,相手の接近的な意向を酌み取っていることが示された。この結果は,「送り手」と「受け手」の間には,その対面的相互作用において,意味の食い違いが起こりやすいことを示唆する。また,調査結果は,「ケータイのディスプレイを"見せる"行為」と「ケータイのディスプレイを"見る"行為」は互いに影響下にあることを示した。その受け入れられやすさという点では,両者は相補的な関係にあり,秘匿性という点では,両者は相乗的な関係になりうることを指摘した。本稿では,「ケータイのディスプレイを"見せる"行為」を非言語コミュニケーションとして理解することの必要性を主張する。