著者
尾関 昌幸 大江 礼三郎 三浦 定俊
出版者
JAPAN TECHNICAL ASSOCIATION OF THE PULP AND PAPER INDUSTRY
雑誌
紙パ技協誌 (ISSN:0022815X)
巻号頁・発行日
vol.39, no.2, pp.233-242, 1985-02-01 (Released:2009-11-16)
参考文献数
4
被引用文献数
3 3

Durability of papers, such as acid and neutral wood free papers, Japanese Kozo (Broussonetia papyrifera) and Gampi (Wikstroemia retusa) papers, as well as handsheets from Mitsumata (Edgeworthia papyrifera), Kozo, Manila hemp and softwood sulphate pulps, were compared by means of degradation rate or relative durability obtained from Arrhenius plots of folding endurance at various temperatures and relative humidities. It was confirmed that papers or handsheets from bast fibres for Japanese paper-making were less degradable compared with those from wood pulps.Influences of acidity and sulphate ion concentration at handsheet making were also investigated. It was not perceivable that sulfate ion concentration was adversely so effective to durability of paper as acidity, which deteriorated properties of papers from bast fibres as well as from wood pulp.
著者
原 啓志 大江 礼三郎
出版者
JAPAN TECHNICAL ASSOCIATION OF THE PULP AND PAPER INDUSTRY
雑誌
紙パ技協誌 (ISSN:0022815X)
巻号頁・発行日
vol.34, no.7, pp.477-483, 1980

亜麻, ケナフ, 広葉樹材をクラフト法, 中性亜硫酸塩法でパルプ化し, 得られたパルプをPFIミル, ランペンミルを使用して叩解を行った。<BR>叩解による炉水性の低下の割合は, ケナフパノレプが最も大きく, 広葉樹材パルプ, 亜麻パルプの順であった。全般的にケナフパルプが最も濾水性が低く, 広葉樹材パルプ, 亜麻パルプの順であった。<BR>パルプ化法による影響では, 中性亜硫酸塩パルプは, 低い濾水性を示し, クラフトパルプが叩解され難かった。<BR>繊維の種類では, ケナフパルフ.が最も叩解され易く, 膨潤もし易い。<BR>叩解によるパルプ中のリグニン, ヘミセルロースの溶出は, ほとんど見られなかった。このため叩解による紙質の変化は, 主としてパルプ繊維の構造変化によるものと推察された。
著者
園田 直子 日高 真吾 岡山 隆之 大谷 肇 増田 勝彦 青木 睦 近藤 正子 増田 勝彦 青木 睦 金山 正子 関 正純 村本 聡子 森田 恒之 大江 礼三郎
出版者
国立民族学博物館
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2007

図書・文書資料に適用できる劣化度評価法のうち、ローリングテストはほぼ非破壊で実施でき、通常の物性試験では測定不可能なほど劣化の進んだ紙の劣化度評価に適用できる可能性を持つ。アコースティック・エミッションは最小限の破壊はあるものの、劣化度評価に有効である。極微量のサンプル量を必要とする熱分解分析法は劣化度評価だけでなく、これにより劣化機構の違いが解明できることが示唆された。紙の劣化度を考慮に入れながら強化処理法を検証した結果、セルロース誘導体による強化処理は状態の良い酸性紙に対する予防保存的措置として、ペーパースプリット法は対処療法という位置づけが明確になった。