著者
〓 怡虹 鳥海 有紀 大沢 裕 坂内 正夫
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.45, no.1, pp.86-93, 1991-01-20
被引用文献数
1 2

8色または16色程度を同時表示可能な, 簡易型のルックアップテーブル形式のディスプレイを対象とした限定色カラー画像の作成法について述べる.本方式の特徴は, 画像上で多くの色を割当てたり, 色の割当てを少なくする部分を会話的に指定し, 作成者の好みに合致した画像を作成可能な点にある.処理は次の3つのステップで行われる.まず, (1)システムは標準的な限定色画像を自動的に生成し, それを提示する.(2)作成者は好みに合わせ, 画像上で割当てる色の数を制御する部分を矩形領域で指定し, 併せてその部分の重視の程度と色割当てのタイプを指定する.(3)システムは指示に合わせて, 指定部分に多くの色を割当てたり, 少ない色を割当てるなどの制御を行う.この(2), (3)のステップを繰り返して好みに近い画像を得ようとするものである.これを実現するため, 色空間中で同一色を割当てる範囲の大きさ(D)をパラメータとし, 多くの色を割当てる部分には小さなD値, 少ない色を割当てる部分には大きなD値を設定するという手法を提案している.
著者
大沢 裕 坂内 正夫
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.37, pp.1600-1601, 1988-09-12

筆者らは従来より図形の輪郭線をベースにした図面自動入力システムAI-MUDAMSの開発を行っている。予め全ての図形の輪郭線を追跡し折れ線近似(ベクトル化)しておき、以後の処理は全てこの輪郭線データを参照しつつ行うというものである。このシステムで処理の中心となるのは、線図形の輪郭線から、その中心線を求める処理(芯線化処理)である。芯線化は線的な図形部に対してのみ行い、線の交点部分や他の図形との接触部では芯線は途切れさせたままで扱う。図面の認識・理解、会話的な図形修正に際しては、この「芯線が途切れている部分には図形を理解する上で重要な特徴点が存在する」という性質を有効に利用している。芯線が途切れている部分の周辺の図形(即ち輪郭線の形)を詳しく調べるための演算としては、途切れた芯線の端点を中心としてある大きさの探査枠を設定し、この枠内に何本の輪郭線と芯線が存在するか、輪郭線の形はどの様になっているかを、順に追跡して調べるという方法を取っている。この演算は2次元的なベクトルデータの管理に適したBD木と呼ぶデータ構造を用いて全てのデータ管理を行い、演算をこのデータ構造上で行うことにより高速化している。しかし、問題は特徴的な部分を詳細に調べる時の探査枠の大きさを一意に決定することが出来ず、実際には数種類のサイズで試みることが必要になる。この繰り返しが処理時間の増大につながっている。