著者
大石 醒悟
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.109, no.2, pp.240-247, 2020-02-10 (Released:2021-02-10)
参考文献数
25

患者及び家族の苦痛へ介入し,QOL(quality of life)向上を図るアプローチである緩和ケアは,本邦において,がん領域で先行して進められてきたが,慢性の進行性疾患である心不全でもそのニーズは存在し,提供されるべき医療である.本稿では,心不全の緩和ケアの概念及びその実践における主たる課題である,意思決定支援及び症状緩和の方法論に関する現状を述べる.
著者
大石 醒悟
出版者
一般社団法人 日本老年医学会
雑誌
日本老年医学会雑誌 (ISSN:03009173)
巻号頁・発行日
vol.58, no.3, pp.388-394, 2021-07-25 (Released:2021-09-06)
参考文献数
13

患者および家族の苦痛へ介入し,QOL向上を図るアプローチである緩和ケアは,本邦においてがん領域で先行して進められてきたが,慢性の進行性疾患である心不全でもそのニーズは存在し,提供されるべき医療である.本項では,高齢者心不全における終末期医療および緩和ケアの概念及びその実践における課題である,意思決定支援及び症状緩和の方法論についての現状を述べる.
著者
嶋根 章 岡嶋 克則 木内 邦彦 横井 公宣 寺西 仁 青木 恒介 千村 美里 津端 英雄 斎田 天 宮田 大嗣 高橋 八大 鳥羽 敬義 大石 醒悟 三好 直貴 月城 泰栄 高谷 具史 小林 征一 山田 愼一郎 谷口 泰代 矢坂 義則 林 孝俊 横山 光宏
出版者
一般社団法人 日本不整脈心電学会
雑誌
心電図 (ISSN:02851660)
巻号頁・発行日
vol.33, no.5, pp.421-428, 2014 (Released:2015-07-27)
参考文献数
15

植込み型除細動器(ICD)の心臓突然死予防効果は,多くの大規模臨床試験で実証されてきた.しかしながら,ICDのショック作動は不適切作動でさえも,予後の悪化と関連すると報告されている.ICDのショック作動の予後に対する影響を明らかにするため,器質的心疾患を有するICD症例253例〔男性79%,平均年齢63±11歳,1次予防36%,平均左室駆出率(LVEF)38±14%〕につき検討した.追跡期間(中央値1,428日)中,適切,不適切ショック作動ともに62例(24.5%)の症例で認め,55例が死亡した(心臓死31例).多変量解析で年齢(ハザード比1.044,p=0.007),LVEF(ハザード比0.969,p=0.011),血清クレアチニン値(ハザード比1.867,p<0.001),心房細動あるいは心房頻拍の既往(ハザード比2.093,p=0.012),適切ショック作動(ハザード比2.777,p=0.001)が全死亡の独立した予測因子であった.一方で,不適切ショック作動は全死亡と関連しなかった.ICDのショック作動が直接生命予後に与える影響は,少ないと考えられる.適切ショック作動は,心室不整脈の再発や新規発症を示す,生命予後不良のマーカーと考えられる.