著者
山口 正隆 畑田 佳男 野中 浩一 大福 学 日野 幹雄
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B2(海岸工学) (ISSN:18842399)
巻号頁・発行日
vol.67, no.2, pp.I_131-I_135, 2011 (Released:2011-11-09)
参考文献数
5

Shallow water wave hindcastings are conducted in the Seto Inland Sea, Ise Bay and Tokyo Bay for each of the so-called 3 giant typhoons in the Showa Era (Muroto Typhoon in 1934, Makurazaki Typhoon in 1945 and Isewan Typhoon in 1959). The computations follow the spatial distribution of time-dependent wave height and maximum value. The sea wind distributions given as the driving forces are estimated using a method which transforms the land-based measurement wind data into the wind data at sea or coastal stations and applies a spatial interpolation technique to the data. The main conclusion is that any of the typhoons may have generated the largest wave height over the past 90 years in the sea area of the typhoon path.
著者
野中 浩一 山口 正隆 大福 学 畑田 佳男
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
海岸工学論文集 (ISSN:09167897)
巻号頁・発行日
vol.53, pp.146-150, 2006

台風の期間別発生特性に着目して作成した4種類の確率的台風モデルに基づく波高の極値推定システムを気圧と海上風・波浪のシミュレーションに適用し, 得られた台風属性の平均値や確率気圧および確率波高の特性を既往台風資料に対応する結果との比較を含めて検討した. その結果, 各モデルは台風属性や確率気圧に識別可能な差をほとんど生じないが, 確率波高に有意な差を生じ, 既往台風資料に対応する結果との類似性からみて, 季節別モデルがより適切であることや, 確率的台風モデルにおける気圧分布モデルや台風の移動・発達モデルの拡張は既往台風資料に基づく確率波高に対する本システムの再現性を向上させることを示した.
著者
山口 正隆 大福 学 日野 幹雄 畑田 佳男 森 正憲 野中 浩一
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
海岸工学論文集
巻号頁・発行日
vol.53, pp.116-120, 2006
被引用文献数
1

伊勢湾を対象として, 沿岸部と海上部で取得された風観測資料を用いて1時間ごとの海上風分布のデータセットを9年間にわたり作成し, その平均特性を調べるとともに, これと1点浅海モデルおよび波候解析モデルを組み合わせた波浪の長期推算システムを構築し, その精度を検討した. この結果, 1) 伊勢湾では湾奥から湾外に向けて平均風速が増大するが, 夏季にはSE方向, それ以外の季節ではNW方向の風が卓越し, 湾軸が風の通り道になっていること, 2) 本システムによる外洋性波浪資料はECMWF-WAM解析資料より高い精度をもつことや, 本システムは伊勢湾内外の観測地点の波浪に対して良好な再現能力を有すること, を明らかにした.
著者
野中 浩一 山口 正隆 大福 学 畑田 佳男
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
海岸工学論文集 (ISSN:09167897)
巻号頁・発行日
vol.51, pp.191-195, 2004

韓国南東岸に大被害をもたらした台風0314号時の最大波高の特性を, 過去55年間の台風時波高極値との関連で検討するために, 当該期間に生起し, 韓国周辺海域に高波をもたらした多数ケースの台風と台風0314号を対象として, 東シナ海における浅海波浪推算を高地形解像度格子網のもとで行い, 100年確率波高や台風0314号を含む異常台風時の最大波高を求めた. 台風0314号時最大波高は韓国南東岸から日本海西南部海域にかけて, 過去55年間の台風時最大波高あるいは100年確率波高をかなり上まわるという結果や, 韓国沿岸の台風時最大波高の規模は台風の勢力のみならず経路の偶然性に大きく依存するという結果が主な知見である.