- 著者
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和田山 智哉
伊藤 絢
大坪 亮一
大谷 恭子
森川 雅史
上田 直子
- 出版者
- 日本神経学会
- 雑誌
- 臨床神経学 (ISSN:0009918X)
- 巻号頁・発行日
- pp.cn-001289, (Released:2019-07-23)
- 参考文献数
- 19
症例は48歳,男性.全身痙攣発作後に左顔面,上肢の間代性痙攣が持続し入院.ジアゼパム,ホスフェニトイン,レベチラセタム投与で止痙したが,再び部分てんかん重積状態となり全身麻酔下で管理した.右前頭葉に皮質を含む拡散強調画像,T2強調画像で高信号の病変を認め,造影MRIで病変の中心部とその近傍の皮質が増強された.第6病日に開頭腫瘍摘出術を施行.増強された中心部で退形成性乏突起膠腫を認めた一方,近傍の皮質には腫瘍組織は認めず,増強効果はてんかん重積によるものと考えられた.てんかん重積に伴う造影MRI異常信号は,臨床的に脳腫瘍などの他疾患との鑑別が困難な場合があり,慎重な判断が必要と考えられた.