著者
木内 泰 鈴木 佳苗 大貫 和則
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.32, no.Suppl., pp.169-172, 2008-12-20 (Released:2016-08-05)
参考文献数
9
被引用文献数
1

本研究では,高校3年生男女199名を分析対象とし,高校生のケータイ通話およびメールの利用が青少年の対人関係の親密性に及ぼし得る影響とその影響過程における媒介要因としての自己開示の役割を検討した.その結果,ケータイ通話については,ケータイ通話が多いほど,ネットでの自己開示,対面上の自己開示が多くなり,親密性が高まるというモデルの適合がもっともよいことが示唆された.さらに,ケータイメールの使用については,ケータイメールの使用が多いほどネットでの自己開示,対面上の自己開示が多くなり,親密性が高まる,あるいは,ネットでの自己開示から直接親密性が高まること,さらに,親密性が高いほどケータイメールをよく使用するようになる,という循環モデルの適合がもっともよいことが示唆された.