著者
中牧 弘允 李 仁子 イシ アンジェロ 大越 公平 坂本 要 新免 光比呂
出版者
国立民族学博物館
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2004

2004年度は、国内におけるカレンダーの収集と、マルチカレンダー文化の実態調査に焦点を絞った。研究代表者は暦のコレクションで知られる施設を訪問し、マルチカレンダーの収集状況を把握した。実態調査に先立ち、民博において研究会を開催し、研究目的を遂行する上で必要とされる情報の共有化をはかり、あとはそれぞれの地域やテーマにもとづきカレンダーの収集と調査に従事し、年度末に民博で開催される研究会で中間報告をおこなった。収集したカレンダーや関連資料を研究代表者のもとに保管し、研究支援者を雇用し情報のデータ化をはかった。2005年度は国内においては補足調査にとどめ、海外においては台湾、韓国、ブラジル、ボスニア、イラン、フィンランド、アメリカなどでマルチカレンダー文化の収集と実態調査を実施した。また収集したカレンダーの一部を研究代表者のもとに集め、情報のデータ化をはかった。さらに研究代表者を中心に『民博通信』7月号に「マルチな暦を生きる-カレンダーにみる在日外国人の暮らし」をテーマに特集を組み、中間的な報告と問題提起をおこなった。
著者
大越 公平
出版者
関東学院大学人文科学研究所
雑誌
関東学院大学人文科学研究所報 (ISSN:03867919)
巻号頁・発行日
vol.39, pp.3-22, 2016-02

本報告は、琉球列島米国民政府が発行していた『守礼の光』に見られる民俗的事象と日本文化探訪(沖縄)(本学文学部比較文化学科)で得られた調査資料を比較検討する試みの成果の一部である。とくに(1)離島生活の基盤整備と習俗の伝承、(2)伝統的行事である大綱引きの観光イベント化、(3)赤飯の由来話について考察した。沖縄民俗の現状を直接の研究対象としている筆者は、これからも沖縄の諸地域を中心とした研究・教育を進めながら、この雑誌のもつ民俗文化資料としての価値を確認していきたい。