著者
山田 寿 板野 阿貴子 天野 勝司
出版者
園芸学会
雑誌
園芸学研究 (ISSN:13472658)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.91-95, 2004-04-01
被引用文献数
1 8 2

リンゴ'王林'の高温誘導早期みつ症状の発生に及ぼす果実に対する日射量の影響を検討するため,簡易積算日射量測定システム(オプトリーフ)を使用した.オプトリーフは30℃以上の高温条件下でも正確な積算日射量の測定が可能であった.Rタイプではいずれの方位の日射量とも平均果実温度と極めて高い有意な相関を示した.3回の実験データをひとまとめにして解析した場合にも,各方位の平均相対日射量は平均果実温度や最高果実温度と1%レベルで有意な相関が認められた.果実の日射量はみつの発生程度や果肉硬度,果糖,ブドウ糖,ソルビトール,全糖などの果実形質とも有意な相関が認められた.また,みつの発生程度は果実温度や果肉硬度,ソルビトールとの間に正の相関が見られ,特にソルビトールとの相関が強かった.以上の結果から,日射によって果実温度が高まることにより,果実内にソルビトールが蓄積し,'王林'果実に早期みつ症状を発生させることが示唆された.
著者
水谷 房雄 廣田 龍司 天野 勝司 日野 昭 門屋 一臣
出版者
園藝學會
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.59, no.4, pp.863-867, 1991
被引用文献数
5

発育中の日本スモモにおける青酸配糖体の含量とβ-シアノアラニン合成酵素活性の変化を調査した. 発育初期の果肉では低レベルのプルナシンが検出されたが(0.6mg/g dw), 発育とともに検出されなくなった. 同様にβ-シアノアラニン合成酵素活性も最も早い採取日に0.3μmolH<sub>2</sub>S/g fw/hrであったが, 果実の発育とともに活性は次第に減少した. しかしながら, 成熟期の果肉ではわずかながら活性の上昇が見られた. いっぽう, 種子では生育期間を通じて全青酸配糖体(プルナシン+アミグダリン)含量は75~100mg/g dwと高かった. 幼果の種子にはプルナシンだけが存在し,含量は種子の発育とともに減少し, 7月初旬には検出されなくなった. いっぽう, アミグダリンは6月初旬頃から現れ, 含量はその後急激に増加して7月下旬に最大値に達した(100mg/g dw). プルナシン含量の減少に伴ってアミグダリン含量が増加することは, 前者から後者への転換が行われていることを示すものである. 種子は果肉に比べてβ-シアノアラニン合成酵素活性は高い値を示した. 種子中の活性は発育初期ではほぼ一定の値(5.6~7.6μmolH<sub>2</sub>S/g fw/hr)で推移したが, さらにアミグダリン含量の増加に伴って高まり, 最大100μmolH<sub>2</sub>S/g fw/hrに達した.
著者
福見 良平 堀内 悦夫 福山 寿雄 秋好 広明 天野 勝司
出版者
日本作物学会
雑誌
日本作物学会四国支部紀事 (ISSN:0915230X)
巻号頁・発行日
no.13, pp.12-14, 1976-12-25

第2報において,牛ふんの多量施用がナス・甘藷の生育.収量に及ばす影響について報告したが,本報ではダイコン・トマトについて試験を行ったので,その結果の概要を報告する。