著者
奥原 章
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.82, no.3, pp.149-152, 1987-03-15 (Released:2011-11-04)
参考文献数
18

低塩化された醤油がJASで「うす塩しょうゆ」などと呼ばれるようになって7年, ようやくその市場が定着しつつある。この原動力となった減塩醤油もキッコーマンが病者用醤油として種々検討を重ね市販してから, かれこれ20年を経たと言われている。今日では単に病者用としてではなく一般用としてもその地盤が固定化しつつあるように見られている, この開発に当ってのうら話などを被露していただいた。
著者
奥原 章
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.87, no.1, pp.22-28, 1992

「自動びん詰機のどこが自動なのだ!」これは他産業に部分的オートメ化が導入されて以来, 30年以上にもなる長い間の嘆きの声である。そして今日, 一貫した自動制御方式を駆使した, いわゆるFA化時化に突入した。高短蒸煮, 機械製麹, 大型屋外醸酵タンク, 自動計量とケージ方式による圧搾装置等, 醤油製造装置の革命も一段落を見, ここに新しいFA化時代を迎えようとしている。常に最先端技術に取り組まれて来られた筆者に解説していただいた。
著者
横塚 保 斎藤 伸生 奥原 章 田中 輝男
出版者
Japan Society for Bioscience, Biotechnology, and Agrochemistry
雑誌
日本農芸化学会誌 (ISSN:00021407)
巻号頁・発行日
vol.43, no.3, pp.165-170, 1969
被引用文献数
2 9

グリシンの呈味作用について研究の結果,つぎのような知見を得た.<br> (1) グリシンそれ自体は甘味を呈し,何ら旨味を呈しない.<br> (2) グリシンとL-グルタミン酸ソーダあるいはL-アスパラギン酸ソ-ダ間には旨味に関する2因子相乗効果は認められない.<br> (3) グリシンと核酸系呈味物質間にも2因子相乗効果は認められない.<br> (4) グリシンは核酸系呈味物質の旨味をL-グルタミン酸ソーダ,あるいはL-アスパラギン酸ソーダの存在下で顕著に活性化させる性質がある.すなわち,すでに知られている核酸系呈味物質とL-グルタミン酸(L-アスパラギン酸)間の2因子相乗効果とは全く別質の3因子相乗効果が,グリシン,核酸系呈味物質,L-グルタミン酸ソーダあるいはL-アスパラギン酸ソーダの3者間に存在することを見い出した.<br> (5) このグリシンの旨味増強作用は単に甘味によるものではなく,特異的な呈味作用である.<br> (6) この3因子相乗効果において,グリシン対核酸系呈味物質の混合比はかなり広範囲にわたって適用することができるが,相乗効果を有意に働かせるためには,効果的な混合比と適正な濃度が存在する.<br> (7)このグリシンの旨味増強作用は食品の新製品開発,風味改善,コスト・ダウン等に有効に応用されるものである.これらの応用面については特として公告告および出願中<sup>(24)</sup>である.