著者
奥和田 久美 前田 さち子
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.58, no.7, pp.544-555, 2015-10-01 (Released:2015-10-01)
参考文献数
4

社会技術研究開発センター(RISTEX)は,これまでに終了した研究開発支援プロジェクトの報告書を,テキストマイニングを用いて俯瞰(ふかん)的に公開できるシステムを構築した。誰でも研究開発領域内の複数の報告書にビジュアルにアクセスできるような仕組みが試みられた。さらにこれらを,領域の枠を超えた俯瞰的な分析や従来とは異なる視点からの類型化分析と併用することで,今後の領域設計などの議論の際に新たな視点が加えられようとしている。過去の知的資産を総合的に可視化することは,研究支援組織の知的継承を助け,組織の将来につながる議論を引き出すことができる。
著者
茅 明子 奥和田 久美
出版者
社会技術研究会
雑誌
社会技術研究論文集 (ISSN:13490184)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.12-22, 2015 (Released:2015-11-20)
参考文献数
24
被引用文献数
2 6

科学技術政策が科学技術イノベーション政策に転換して以来,研究開発プロジェクトに対して「社会実装」が求められる機会は増加しているものの,実際の現場においてどの程度社会実装が進んでいるのかはきちんと把握されていないのが現状である.それゆえ本研究では,新たに設定した指標を用いて社会実装を推奨する研究開発領域の成果の類型化を実施し,成果の進捗を把握した.その結果,約4割のプロジェクトが社会実装フェーズに到達しており,想定以上に概念が浸透していることが判明した.あわせて、社会実装と研究開発手法の新規性や成果の汎用性についての相関関係も考察した.
著者
横尾 淑子 奥和田 久美
出版者
科学技術政策研究所 科学技術動向研究センター
巻号頁・発行日
2012-09 (Released:2013-05-21)

本研究では、1971 年から2010 年の40 年間に実施された「デルファイ調査」(科学技術発展の将来展望を専門家に問うアンケート)で取り上げられた「トピック」(実現が期待される科学技術等の記述)を対象として、我が国の研究開発の方向性変化の例証を試みた。 まず、トピック中で用いられた名詞の出現頻度の推移を見ることにより、専門家の注目点の変化を分析した。次いで、トピック設定から20 年後の実際の実現状況をもとに、トピック設定時の想定と実際の状況とのずれを分析した。 分析の結果、我が国の研究開発の方向性に関する専門家の考え方は、2000 年代後半から変化が生じ始め、社会との関係性を重視する方向に向かったことが明らかになった。また、1990 年代前半以降、専門家の見通し通りに予測が実現することが少なくなったこと、及び専門家の見通しがばらつくようになったことから、将来の変化を見通しにくくなったことが明らかになった。