- 著者
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黒川 博文
奥平 寛子
木成 勇介
大竹 文雄
- 出版者
- 行動経済学会
- 雑誌
- 行動経済学 (ISSN:21853568)
- 巻号頁・発行日
- vol.11, no.Special_issue, pp.S1-S4, 2018 (Released:2019-04-10)
- 参考文献数
- 10
アイデンティティが競争選好に与える影響に男女差があるかどうかを検証する実験を行った.最小条件集団パラダイムによって被験者のアイデンティティを形成した.2人一組のペアをランダムに割り当て,ペアのアイデンティティが同じグループ(内集団)と異なるグループ(外集団)を作った.歩合制の下で実労働タスクを行い,その後,競争環境であるトーナメント制の下で実労働タスクを行った.その次のラウンドでは,歩合制かトーナメント制の報酬体系を選択した後に実労働タスクに取り組んだ.男性の場合,競争相手が外集団のときの方が競争を好むことが明らかとなった.女性の場合は,競争相手が内集団であろうと外集団であろうと競争を好まないことがわかった.男性が外集団との競争を好むようになったのは,外集団との競争でパフォーマンスが上昇し,さらに,自信過剰になったことが原因だと考えられる.