著者
白井 啓一郎 馬場 達也 小野 峻佑 奥田 正浩
出版者
一般社団法人 電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会 基礎・境界ソサイエティ Fundamentals Review (ISSN:18820875)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.40-53, 2017-07-01 (Released:2017-07-01)
参考文献数
71

本稿では,雑音除去や色補正などの様々な画像処理問題を画像の特徴を正則化として取り入れた一種の連続最適化問題として定式化することで見通し良く解決できること,及びそれらの最適化問題を実際に効率的に解く方法について解説する.具体的には,"Color-Lines特徴" と呼ばれるカラー画像の色分布が色空間において線状に広がる特徴を利用した応用に焦点を絞り,画像処理に伴う最適化特有の定式化・解法テクニックについて筆者らのこれまでの取組みを交えて説明する.
著者
長友 京子 奥田 正浩 池原 雅章 高橋 進一
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.26, no.54, pp.1-4, 2002-07-25

コンピュータ、及び、情報技術の急速な発展に伴って、3次元モデリングやレンダリングは、多くのアプリケーションにおいてますます重要になっている。3次元メッシュは莫大な量のデータを持っているので、保存や、ネットワークからダウンロードする際に時間がかかる。大部分の3次元モデルを表示する為のアプリケーションは、ユーザーが低解像度モデルのみ欲しいときさえも、3次元モデルの全てのデータを獲得しなければならない。従って、プログレッシブ性を持つこと(3次元モデルの多重解像度伝達を可能にする)が、望まれる。本論文において、我々は、イレギュラーなメッシュをテクスチャ上でマッピングし、セミレギュラーに変えることで、3次元メッシュのプログレッシブな符号化法を提案する。その際圧縮には、2次元画像符号化アルゴリズムをメッシュ圧縮に適用する。ウェーブレット変換を使うので、符号化されたビットストリームは、プログレッシブ性を持つ。我々は、高圧縮率においても、オリジナルのモデルと視覚的に同等なモデルを得ることが出来た。
著者
奥田 正浩
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会誌 = The journal of the Institute of Electronics, Information and Communication Engineers (ISSN:09135693)
巻号頁・発行日
vol.93, no.2, pp.139-144, 2010-02-01
参考文献数
5
被引用文献数
8

暗所視から明所視までの輝度順応を考慮した場合,人間の視覚特性のダイナミックレンジは200dBを大きく超え,単一のシーンでも暗所と明所の比が100dBから120dBになり得る.これに対して一般に市販されているカメラのダイナミックレンジは高性能なものであっても80dB程度であり,シーンすべての輝度情報を記録することはできない.高ダイナミックレンジ画像(High Dynamic Range画像,HDR画像)はシーンの可視範囲の輝度すべてを記録するために開発され,人間の視覚特性と同等のダイナミックレンジと色域をサポートする画像である.ここではHDR画像処理における重要なテーマである,取得法,符号化,トーンマッピングについて解説する.