- 著者
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奥田 正浩
- 出版者
- 一般社団法人電子情報通信学会
- 雑誌
- 電子情報通信学会誌 = The journal of the Institute of Electronics, Information and Communication Engineers (ISSN:09135693)
- 巻号頁・発行日
- vol.93, no.2, pp.139-144, 2010-02-01
- 参考文献数
- 5
- 被引用文献数
-
8
暗所視から明所視までの輝度順応を考慮した場合,人間の視覚特性のダイナミックレンジは200dBを大きく超え,単一のシーンでも暗所と明所の比が100dBから120dBになり得る.これに対して一般に市販されているカメラのダイナミックレンジは高性能なものであっても80dB程度であり,シーンすべての輝度情報を記録することはできない.高ダイナミックレンジ画像(High Dynamic Range画像,HDR画像)はシーンの可視範囲の輝度すべてを記録するために開発され,人間の視覚特性と同等のダイナミックレンジと色域をサポートする画像である.ここではHDR画像処理における重要なテーマである,取得法,符号化,トーンマッピングについて解説する.