- 著者
-
武川 直樹
- 出版者
- 一般社団法人電子情報通信学会
- 雑誌
- 電子情報通信学会誌 = The journal of the Institute of Electronics, Information and Communication Engineers (ISSN:09135693)
- 巻号頁・発行日
- vol.85, no.10, pp.756-760, 2002-10-01
- 参考文献数
- 18
- 被引用文献数
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15
「目は口ほどにものを言い」といわれている.人と人とのコミュニケーションにおいて,視線は,言語情報のみでは伝わりにくい相手の意図,心理状態,個性を読み取ったり,相手にそれらを伝えたりするために使われている.近年,心理学,認知科学,ロボティクス,コンピュータビジョン・パターン認識など領域横断的に視線研究が注目を集めつつある.本稿では,視線を用いた人と人,人とコンピュータとのコミュニケーションに関する研究動向を紹介する.まず,これまでの研究成果として得られた知見から視線の機能を整理し,続いて,視線による意図の伝達,印象の伝達,コミュニケーションの調整についての研究動向を系統的に紹介する.最後に今後の研究の方向性についてまとめる.