著者
内田 伸哉 菅野 真音 長井 隆行 池原 雅章
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. WBS, ワイドバンドシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.176, pp.19-24, 2005-07-07

本論文は混合音声の音源分離について逆行列を使用した方法を提案する.まず, この手法を満たすための仮定であるW-disjoint orthogonalityについて述べ, ステレオ録音された各音声データは, それ特有の位相と振幅の比の値を持ち, それがオリジナルの音声ソースが不明な状態からの元信号探索に有効であることを示す.次に, 従来法であるDUETについて述べ, 振幅遅延表現のヒストグラムを作成することにより, 個々の音声ソースがピークを持ちそれぞれ独立の位相振幅成分を有することを確認する.最後に逆行列を使用して音源分離を行う方法についてシミュレーションを行い従来法と比較をし, その有用性を示す.
著者
長友 京子 奥田 正浩 池原 雅章 高橋 進一
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.26, no.54, pp.1-4, 2002-07-25

コンピュータ、及び、情報技術の急速な発展に伴って、3次元モデリングやレンダリングは、多くのアプリケーションにおいてますます重要になっている。3次元メッシュは莫大な量のデータを持っているので、保存や、ネットワークからダウンロードする際に時間がかかる。大部分の3次元モデルを表示する為のアプリケーションは、ユーザーが低解像度モデルのみ欲しいときさえも、3次元モデルの全てのデータを獲得しなければならない。従って、プログレッシブ性を持つこと(3次元モデルの多重解像度伝達を可能にする)が、望まれる。本論文において、我々は、イレギュラーなメッシュをテクスチャ上でマッピングし、セミレギュラーに変えることで、3次元メッシュのプログレッシブな符号化法を提案する。その際圧縮には、2次元画像符号化アルゴリズムをメッシュ圧縮に適用する。ウェーブレット変換を使うので、符号化されたビットストリームは、プログレッシブ性を持つ。我々は、高圧縮率においても、オリジナルのモデルと視覚的に同等なモデルを得ることが出来た。
著者
田中 美栄子 元山 智弘 池原 雅章
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NC, ニューロコンピューティング (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.601, pp.13-18, 2004-01-19
被引用文献数
2

本稿では,進化的アルゴリズムによるエージェント・シミュレーションによって投資戦略を自動生成するプログラムを作成し,実際の金融データに適用して得た結果について報告する.ここでは投資戦略を,金融市場という刻々と変化する環境に適応しながら進化するエージェントとみなし,他のエージェントの活動結果によって生じる市場価格の動きを相手として様々な戦略を実行し,結果の可否に応じてその時点での環境(価格変動)に対して最適な戦略に進化してゆくものとした.まず,1ティック前の価格変化の符号の情報をもとに1ティック後の変動の符号を予測することから始め,合計7ティック程度まで参照する履歴を増やして行くと,3〜4ティック位までは予測率が次第に向上して約70%の予測率に達するが,5ティック位で飽和してしまいそれ以上は向上しないことがわかった.そこで直前の価格変動の符号のみの情報(「差分符号」とする)に加えて,現在の価格水準が過去の価格の平均に比べて高めなのか低めなのかという情報(「相対価格」とする)を加味して学習を行ったところ,予測率は特に向上せず「差分符号」のみの場合と同水準であった.一方「相対価格」のみの情報で学習を行った結果の予測率はやはり70%前後にとどまった.このように複数の情報を必要に応じて取り込むことのできるプログラムに知識ベースを与えてゆくことによって,より的中率の高い戦略の自動生成への土台ができたことになる.
著者
白井 啓一郎 池原 雅章 岡本 正行
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 A (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.J94-A, no.4, pp.275-284, 2011-04-01

暗所での撮影の問題点としてノイズの増加が挙げられる.フラッシュ撮影によりノイズを減少させることは可能であるが,フラッシュにより画像中のスペキュラ光が増して色彩が失われる問題がある.また,長時間露光によってもノイズを低減できるが,対象物またはカメラの動きに敏感となりぼけを生じやすくなる問題がある.本論文では上述の問題を解決するため,ノンフラッシュ画像の色彩と陰影をフラッシュ画像の成分に反映する手法を提案する.色彩については,色線形性画像特徴の概念に基づき,フラッシュ画像の局所的な色分布をノンフラッシュ画像の色分布に投影し,色変換を行う.陰影については,光源位置によって画像間にオクルージョン領域が生じるため,オクルージョンに対応したフラッシュ画像の局所的な輝度をノンフラッシュ画像の輝度に投影する手法を示す.