著者
佐伯 仁志 大澤 裕 橋爪 隆 樋口 亮介 宇賀 克也 森田 宏樹 神作 裕之 白石 忠志 山本 隆司
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本件研究は、経済活動における違法行為に対する制裁手段の在り方について、刑事制裁と非刑事法的な規制手段とを比較しつつ、多角的な検討を加えるものである。具体的な研究成果としては、①刑事法上の過失概念と民事法上の過失概念の関係、②公務員の過失責任の限界、③銀行取引における違法行為の処理、④金融商品取引法における罰則の解釈、⑤独占禁止法におけるサンクションの在り方などの問題について、検討を加えることができた。
著者
宇賀 克也
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2017-04-01

2017年度は、我が国の匿名加工情報、非識別加工情報制度の特色を探るため、海外の匿名加工情報制度、とりわけ、EUのGeneral Data Protection Regulation(GDPR)と比較するための研究を行った。また、同年度において、「医療分野の研究開発に資するための匿名加工医療情報に関する法律」(次世代医療基盤法)が成立したため、同法についても研究を行い、論文の執筆を開始している。さらに、2007年に全部改正され、匿名データ、オーダーメード集計の制度を新設し、オープンデータ政策においてフロントランナーの立場にあった統計法が、行政機関非識別加工情報制度の導入の結果、むしろ、一般の保有個人情報よりも、オープンデータ政策という面では、後塵を拝することになり、そのため、2018年3月に統計法の一部を改正する法律案が閣議決定され、国会に提出された。そこで、この統計法改正案についても、オープンデータ政策の観点から研究を行い、論文執筆にとりかかった。いずれの論文も、2018年度において、公表を予定している。また、行政機関非識別加工情報制度の導入に伴い、地方公共団体において、個人情報保護条例を改正して、非識別加工情報制度を導入する検討が開始されており、201年度末までに、鳥取県、和歌山県のほか、市区町村では3団体が、すでに個人情報保護条例を改正して、非識別加工情報制度を導入している。そこで、これらの個人情報保護条例についても検討を行った。