著者
宇都宮 博
出版者
一般社団法人 日本健康心理学会
雑誌
健康心理学研究 (ISSN:09173323)
巻号頁・発行日
vol.17, no.2, pp.1-10, 2004-12-25 (Released:2015-01-07)
参考文献数
30
被引用文献数
2

The influence of perceived interparental commitment on self-affirmation in female adolescents was investigated. Participants (n=131) completed a questionnaire composed of interparental commitment, fulfillment and self-esteem. The Children's Perception of Interparental Commitment Scale contains four dimensions: “Whole acceptance of being / Unsubstitution”, “Social pressure / Powerless”, “Idea of permanence / Group orientation”, and “Material dependence / Efficiency. Self-affirmation in female adolescents was negatively affected by mother's “Social pressure / Powerless and “Material dependence / Efficiency”. Father's “Idea of permanence / Group orientation” was predictive of the low self-affirmation in female adolescents. Conversely, mother's “Idea of permanence / Group orientation” was predictive of high self-affirmation in female adolescents. The mother's commitment may play an important role in self-affirmation of female adolescents.
著者
春日 秀朗 宇都宮 博 サトウ タツヤ
出版者
一般社団法人 日本発達心理学会
雑誌
発達心理学研究 (ISSN:09159029)
巻号頁・発行日
vol.25, no.2, pp.121-132, 2014

本研究は,親から感じた期待が子どものどのような感情や行動を引き出し,それらが大学生の現在の自己抑制型行動特性と生活満足感にどのような影響を与えるのか検討することを目的とした。対象は大学生367名であった。質問紙調査により大学入学以前に親から感じた期待と期待に対して抱いた感情,行った行動を尋ね,自己抑制型行動特性及び生活満足感への影響を検討した。その結果,期待の認知形態により反応様式や生活満足感に差異が生じることが明らかになった。「人間性」・「進路」・「よい子期待」のいずれの期待も高く認知していた期待高群の大学生は,いずれの期待も感じなかった,もしくは人間性期待のみを感じていた大学生よりも負担感が高かったが,進路・よい子期待のみを感じていた大学生よりも期待に対して肯定的な反応をとっており,生活満足感も高かった。また自己抑制型行動特性から生活満足感への影響に関して,期待高群においては正の影響がみられた。これらのことから,期待が子どもに対しネガティブな影響を与えるのは,期待内容や程度とともに,子どもが期待をどのように認知しているのかが重要であることが明らかになった。期待高群において自己抑制型行動特性が生活満足感へ正の影響を与えていたことから,自らが望んで期待に応えた場合,自己抑制的な自身の性格を肯定的にとらえていることが示唆された。
著者
春日 秀朗 宇都宮 博 サトウ タツヤ
出版者
一般社団法人 日本発達心理学会
雑誌
発達心理学研究 (ISSN:09159029)
巻号頁・発行日
vol.25, no.2, pp.121-132, 2014 (Released:2016-06-20)
参考文献数
36

本研究は,親から感じた期待が子どものどのような感情や行動を引き出し,それらが大学生の現在の自己抑制型行動特性と生活満足感にどのような影響を与えるのか検討することを目的とした。対象は大学生367名であった。質問紙調査により大学入学以前に親から感じた期待と期待に対して抱いた感情,行った行動を尋ね,自己抑制型行動特性及び生活満足感への影響を検討した。その結果,期待の認知形態により反応様式や生活満足感に差異が生じることが明らかになった。「人間性」・「進路」・「よい子期待」のいずれの期待も高く認知していた期待高群の大学生は,いずれの期待も感じなかった,もしくは人間性期待のみを感じていた大学生よりも負担感が高かったが,進路・よい子期待のみを感じていた大学生よりも期待に対して肯定的な反応をとっており,生活満足感も高かった。また自己抑制型行動特性から生活満足感への影響に関して,期待高群においては正の影響がみられた。これらのことから,期待が子どもに対しネガティブな影響を与えるのは,期待内容や程度とともに,子どもが期待をどのように認知しているのかが重要であることが明らかになった。期待高群において自己抑制型行動特性が生活満足感へ正の影響を与えていたことから,自らが望んで期待に応えた場合,自己抑制的な自身の性格を肯定的にとらえていることが示唆された。
著者
宇都宮 博
出版者
科学技術政策研究所 科学技術動向研究センター
雑誌
科学技術動向 (ISSN:13493663)
巻号頁・発行日
no.014, pp.25-30, 2002-05-01 (Released:2013-06-12)
著者
宇都宮 博
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.53, no.2, pp.209-219, 2005-06-30 (Released:2013-02-19)
参考文献数
35

本研究は, 青年期の子どもからみた両親のコミットメントに関する認知尺度を作成し, 両親間の葛藤解決および青年の不安との関連性を検討することを目的として実施された。女子青年136名 (平均20.4歳) を対象に質問紙調査を実施した。分析の結果, 両親の結婚生活に対するコミットメントの認知は, 父母いずれも「存在の全的受容・非代替性」「社会的圧力・無力感」「永続性の観念・集団志向」「物質的依存・効率性」の4因子が抽出された。このうち, 不安と比較的強い相関がみられたのは「存在の全的受容・非代替性」と「社会的圧力・無力感」であり, 両者は異なる関連にあった。すなわち, 「存在の全的受容・非代替性」を高く認知している者ほど不安は低減するのに対し, 「社会的圧力・無力感」が高い者ほど不安は強まることが示された。また両親のコミットメントと女子青年の不安の関連は居住形態によって異なり, 親と同居している場合に顕著であった。さらに両親間の葛藤解決と不安の関連は一様ではなく, コミットメントの性質によって異なる可能性が示唆された。