著者
高塚 祥芝 宇都宮 與 川畑 久 竹内 昇吾 牧野 虎彦 中原 勝志 下高原 茂巳 魚住 公治 花田 修一 有馬 暉勝
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.88, no.4, pp.707-709, 1999-04-10 (Released:2008-06-12)
参考文献数
6

症例1は, 63歳,男性.汎血球減少と右下腿の重症峰窩織炎で入院.骨髄像では芽球が78%を占めAML (M0)と診断.症例2は, 47歳,男性.発熱と白血球増加で入院.骨髄は,低形成で芽球32%,好酸球24%認AML (M4Eo)と診断.入院時肛門周囲膿瘍を併発していた. 2例とも感染症の治療を優先して抗生剤での治療中にAMLの自然寛解を得た. AMLの自然寛解は稀であり貴重な症例と思われ報告した.
著者
石塚 賢治 山野 嘉久 宇都宮 與 内丸 薫
出版者
一般社団法人 日本血液学会
雑誌
臨床血液 (ISSN:04851439)
巻号頁・発行日
vol.56, no.6, pp.666-672, 2015 (Released:2015-08-07)
参考文献数
14

Human T-lymphotropic virus type-I (HTLV-1)は成人T細胞白血病・リンパ腫(ATL),HTLV-1関連脊髄症/熱帯性痙性脊髄麻痺などの原因ウイルスで,主に授乳や性交渉によって感染が成立する。本研究では国内4施設におけるHTLV-1感染者(キャリア)対応の実態を調べた。キャリア外来標榜施設では,献血時もしくは妊娠時の検査でHTLV-1感染を知り,HTLV-1関連疾患発症の有無についての検査やHTLV-1感染に伴う不安への説明や相談,関連疾患に対する説明を希望し受診する場合が多かった。受診者の約半数はHTLV-1感染を2年以上前に告知されており,近年のHTLV-1やキャリア外来への社会での認知から,キャリア自身の意識が変わったことが受診につながったものと考えられる。一方で,HTLV-1高度浸淫地域においてはかかりつけ医によって十分な対応がなされている可能性が高いと考えられた。HTLV-1非浸淫地域にある2施設ではHTLV-1キャリアと診断された受診者の50%以上が両親とも出生地は九州以外であり,HTLV-1キャリアは九州出身者に多いとされてきた事実の変貌が明らかになった。今後HTLV-1キャリア数は減少するものの,居住地の偏在は少なくなると考えられ,医療ニーズに適切かつ効率よく対応する体制の構築が重要である。