著者
笠松 真吾 守田 匡伸
出版者
東北大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2017-04-01

本研究では、アルコールデヒドロゲナーゼ5(ADH5)を用いて、タンパク質ポリスルフィド化を介したレドックスシグナル制御機構の解明を目指した。大腸菌および哺乳類細胞で発現したヒトADH5タンパク質は高度にポリスルフィド化しており、ポリスルフィド化の維持に活性中心のCys174が重要であることが分かった。また、ADH5のタンパク質ポリスルフィド化レベルの変動と酵素活性に相関が見られた。これらの結果から、ADH5の活性中心のタンパク質ポリスルフィドの生体内レドックスシグナル制御系への関与が示唆された。
著者
笠松 真吾 守田 匡伸 赤池 孝章
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
ファルマシア (ISSN:00148601)
巻号頁・発行日
vol.53, no.3, pp.210-214, 2017 (Released:2017-03-01)
参考文献数
23

活性酸素種(ROS)は、非特異的化学修飾をもたらす毒性因子としての側面の他に、生理的な細胞内シグナル(レドックスシグナル)分子としての機能を持つ。ROS・レドックスシグナルはその下流で生じる親電子物質を介して巧妙に制御されている。最近、新規レドックスシグナル制御因子として活性イオウ分子種が同定された。活性イオウ分子種によるレドックスシグナル制御機構の解析は、酸化ストレスの関わる疾病の新規予防・治療戦略の開発に寄与すると期待される。