著者
友竹 浩之 安富 和子 富口 由紀子 山下 紗也加 郡 俊之
出版者
Japan Society of Nutrition and Food Science
雑誌
日本栄養・食糧学会誌 (ISSN:02873516)
巻号頁・発行日
vol.73, no.5, pp.207-213, 2020 (Released:2020-10-19)
参考文献数
20
被引用文献数
1 2

約2カ月間の健康増進教室参加者28名 (75±5歳 女性) の咀嚼能力, 握力, 食意識などを教室前後で比較し, 咀嚼, 栄養, 運動の指導の有効性について調べた。教室前後の調査項目は, 体重, 上腕周囲長, 下腿周囲長, 握力, 咀嚼能力 (チューインガム・グミゼリーを使用) , 食意識調査 (質問紙) , 栄養状態評価 (質問紙) とした。教室はテーマにそって, 講義と実習を行った (第2回「噛むことの大切さ」, 第3回「低栄養を予防する食べ方」, 第4回「運動の大切さと筋肉を鍛えるコツ」) 。教室実施期間中は, 咀嚼および栄養強化食品として高野豆腐を参加者全員に提供し, 摂取状況や噛むことの意識を毎日記録してもらった。参加者の教室前後の咀嚼能力を比較した結果, 有意に高くなっていた (チューインガム判定p=0.004, グミゼリー判定p=0.009) 。握力 (p=0.049) , 上腕周囲長 (p=0.012) も有意に増加していた。咀嚼の意識についての得点は, 教室前と比較して有意に高かった (p=0.016) 。
著者
安富 和子
出版者
飯田女子短期大学
雑誌
飯田女子短期大学紀要 = Bulletin of Iida Women's Junior College (ISSN:09128573)
巻号頁・発行日
vol.34, pp.69-88, 2017-05-27

加工食品等の食べ物の軟食傾向により,あまり噛まなくてもすむ食生活の弊害として,子どもたちの顎が小さくなり,不正咬合や歯肉炎等の問題を持つ児童生徒が増加傾向にある.そのため学校給食においても噛めない,噛まない,飲み込めないと言った食べ方に問題のある子どもたちが増加している傾向がある. 小中学校で長年養護教諭をしていた筆者は,そのような子どもたちの食の現状を目の当たりにし,子どもたちに良く噛んで食べる食習慣を身につけさせるため,平成13年度より長野県下で様々な咀嚼啓発活動に取り組んできた.本報告はその中でも,特に平成26・27・28年度の大学地域連携事業において,学校・家庭・地域と連携した咀嚼啓発活動を行った内容をまとめたものである. その内容は,1.かみかみリレーの実施,2.かみかみカレンダーの発行,3.咀嚼啓発キャラクター「かみかみ大使カミン」の活動,4.おにぎり1個の咀嚼回数と時間の測定,5.かみんこうやの開発,6.相撲界と高野豆腐,7.老舗和食料亭のお弁当,8.歯・咀嚼の啓発サポーター養成講座,9.かむ意識を育てる親子健康教室,10.学校給食と牛乳のドリンクタイム,11.咀嚼啓発紙芝居とパネルの作製,12.カミンの歌とカミンダンスの作製の12項目である.それらの活動の結果,子どもや保護者,地域における咀嚼の意識が高まってきていることが伺える.更に今後は,行政・歯科医師会・食品会社等の関係機関と連携を深めながら咀嚼の啓発活動を行っていきたいと考えている.
著者
岩瀬 彩香 友竹 浩之 安富 和子 木下 智恵子 竹村 香 奥井 現理 武分 祥子
出版者
飯田女子短期大学
雑誌
飯田女子短期大学紀要 = Bulletin of Iida Women's Junior College (ISSN:09128573)
巻号頁・発行日
no.34, pp.89-95, 2017-05-27

第21回学内研究集談会抄録(抜粋)、会場:飯田女子短期大学視聴覚室、日時:平成29年2月9日(木)9:00~12:10
著者
武分 祥子 菱田 博之 川手 弓枝 安富 和子
出版者
飯田女子短期大学
雑誌
飯田女子短期大学紀要 = Bulletin of Iida Women's Junior College (ISSN:09128573)
巻号頁・発行日
no.36, pp.91-96, 2019-05-27

第23回学内研究集談会抄録(抜粋)、会場:飯田女子短期大学視聴覚室、日時:平成31年2月14日(木)9:00~11:15
著者
友竹 浩之 安富 和子 富口 由紀子 山下 紗也加 郡 俊之
出版者
公益社団法人 日本栄養・食糧学会
雑誌
日本栄養・食糧学会誌 (ISSN:02873516)
巻号頁・発行日
vol.73, no.5, pp.207-213, 2020
被引用文献数
2

<p>約2カ月間の健康増進教室参加者28名 (75±5歳 女性) の咀嚼能力, 握力, 食意識などを教室前後で比較し, 咀嚼, 栄養, 運動の指導の有効性について調べた。教室前後の調査項目は, 体重, 上腕周囲長, 下腿周囲長, 握力, 咀嚼能力 (チューインガム・グミゼリーを使用) , 食意識調査 (質問紙) , 栄養状態評価 (質問紙) とした。教室はテーマにそって, 講義と実習を行った (第2回「噛むことの大切さ」, 第3回「低栄養を予防する食べ方」, 第4回「運動の大切さと筋肉を鍛えるコツ」) 。教室実施期間中は, 咀嚼および栄養強化食品として高野豆腐を参加者全員に提供し, 摂取状況や噛むことの意識を毎日記録してもらった。参加者の教室前後の咀嚼能力を比較した結果, 有意に高くなっていた (チューインガム判定<i>p</i>=0.004, グミゼリー判定<i>p</i>=0.009) 。握力 (<i>p</i>=0.049) , 上腕周囲長 (<i>p</i>=0.012) も有意に増加していた。咀嚼の意識についての得点は, 教室前と比較して有意に高かった (<i>p</i>=0.016) 。</p>