著者
田原 育恵 堀内 美由紀 安田 千寿 筒井 裕子 太田 節子
出版者
聖泉大学
雑誌
聖泉看護学研究 (ISSN:21871981)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.59-67, 2013-04

背景 近年,要介護状態の後期高齢者は急増し,施設利用を自ら選択する意向もみられる.しかし 高齢者にとって施設入所による環境変化は,重大なリスクにつながる.目的 介護老人福祉施設入所による後期高齢者の生活環境変化に適応するための要因を明らかにする.方法 同意が得られた介護老人福祉施設に入所8カ月の94歳の対象Cさんに,インタビュー調査を行った.そして逐語録を作成した後,KJ法の手法を用いて質的に分析した.結果・考察 KJ法の結果66個のラベルが取り出され,ラベルは20個の島に分類された.またこれらの島から11個の表札を抽出した.これらの分析より,生活環境への適応状態には【生活の知恵や判断力に基づいて対処行動がとれる】【自分の居場所が決められる】【職員のケアが適切である】【静かで自然を感じる環境がある】【家族が支えになっている】の5つの要因が関連していることが明らかになった.結論 介護老人福祉施設入所による後期高齢者の生活環境への適応状態を質的に分析した結果, 5つの適応要因の関連が明らかになった.
著者
田原 育恵 堀内 美由紀 安田 千寿 筒井 裕子 太田 節子 タハラ イクエ ホリウチ ミユキ ヤスダ チズ ツツイ サチコ オオタ セツコ Tahara Ikue Horiuchi Miyuki Yasuda Chizu Tsutsui Sachiko Ota Setsuko
雑誌
聖泉看護学研究 = Seisen journal of nursing studies
巻号頁・発行日
vol.2, pp.59-67, 2013-04

背景 近年,要介護状態の後期高齢者は急増し,施設利用を自ら選択する意向もみられる.しかし 高齢者にとって施設入所による環境変化は,重大なリスクにつながる.目的 介護老人福祉施設入所による後期高齢者の生活環境変化に適応するための要因を明らかにする.方法 同意が得られた介護老人福祉施設に入所8カ月の94歳の対象Cさんに,インタビュー調査を行った.そして逐語録を作成した後,KJ法の手法を用いて質的に分析した.結果・考察 KJ法の結果66個のラベルが取り出され,ラベルは20個の島に分類された.またこれらの島から11個の表札を抽出した.これらの分析より,生活環境への適応状態には【生活の知恵や判断力に基づいて対処行動がとれる】【自分の居場所が決められる】【職員のケアが適切である】【静かで自然を感じる環境がある】【家族が支えになっている】の5つの要因が関連していることが明らかになった.結論 介護老人福祉施設入所による後期高齢者の生活環境への適応状態を質的に分析した結果, 5つの適応要因の関連が明らかになった.
著者
畑野 相子 北村 隆子 安田 千寿
出版者
滋賀医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

本研究は、認知症高齢者の行動・心理学的症状(Behavioral and Psychological Symptoms of Dementia :以下 BBPSD とする)に対する非薬物療法として、赤ちゃん人形を用いたケア(以下人形療法とする)を展開し、その効果を科学的に実証することを目的とした。様々な BPSD を有する高齢者に人形療法を行い観察した結果、焦燥感や暴言・暴力の緩和に最も効果があった。人形に対する態度や言葉を分析した結果、人形の意味として(1)現在と過去の自分の存在をつなげる役割(2)気持ちの移行対象(3)高齢者自身が能動的に働きかけができる存在であることが示唆された。また、療法のポイントは、(1)高齢者が好みの人形を選択できること(2)導入は、自尊心に配慮して、対象者のために人形を準備したのではなく、セラピストの人形として提示すること(3)人形と高齢者の目線をあわせること(4)人形を渡し放しにするのではなく、療法として人形を用いることである。共通して好まれた人形は、目が開眼しているまたは開閉することであった。