- 著者
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安田 真悟
中川 晋一
井上 潤
三井 実
石川 智治
宮原 誠
- 出版者
- 一般社団法人電子情報通信学会
- 雑誌
- 電子情報通信学会技術研究報告. EA, 応用音響 (ISSN:09135685)
- 巻号頁・発行日
- vol.104, no.615, pp.51-56, 2005-01-21
- 被引用文献数
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感音性難聴等の聴覚障害者へ超低音の波面を忠実に伝送して, 音楽試聴における音質向上の研究を行っている. 96kHzサンプリング, 16bit量子化, による新たな計測法を示す. 本計測系での位相回転の検出感度は, 50Hz時に0.2°(1/1920波長, 10.4μs)であることが実験的に確かめられた. 本計測系を用い, 回路形式が明らかで低音域の音質に関してDC遮断回路の時定数の影響が支配的な回路形式の異なる各種市販オーディオアンプの入力波形と出力波形の位相周波数特性を測定した結果, ほぼ設計通りの時定数と位相回転との関係を実証できた. 具体的にはサーボアンプのNFB回路の, 低域カットオフ時定数コンデンサの容量を変化させて測定した. 各種アンプの低音域位相周波数特性を検討したところ, 25Hz時で0.01°(1.3μs)から31°(3460μs)の差があり, 250Hz付近で収束することが観測された. この, 低音域の位相周波数特性測定はBruel&Kjaer Type 2012のSteady State Responseモードによる測定に比較して, 簡便に同程度の精度で測定できる利点を有する.