- 著者
-
宮原 誠
吉田 育弘
- 出版者
- 一般社団法人 映像情報メディア学会
- 雑誌
- テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
- 巻号頁・発行日
- vol.43, no.10, pp.1129-1136, 1989-10-20 (Released:2011-08-17)
- 参考文献数
- 12
- 被引用文献数
-
4
7
カラー画像処理や符号化の研究は, (1) 信号を人間の色知覚の3属性 (Hue, Value, Chroma) にもとづく均等知覚空間上で, (2) 処理誤差を実際に知覚される色差と関係づけて扱うことが有効である.この目的で用いる均等色空間として, 色差が定義されている (H, V, C) マンセル色空間を用いることとした.しかし, CIE (1976) L*a*b*色空間にもとづく (R, G, B) ↔ (H, V, C) データ相互変換は精度が低く, また変換表を用いる方法も, 表を内挿する必要があるなど, 実用上の支障が多い.そこで本論文では, MTMと名付けた数学的 (R, G, B) → (H, V, C) データ変換方法を提案する.MTMは, ある仮定した変換関数の未定係数を, カラーテレビの色再現範囲から均等にサンプルした250の代表色にもとつく重回帰分析によって決定したものである.また, ニュートン法を応用した逆変換の方法を示した.最後に, MTMとこの逆変換法を組み合せれば, 充分精度良く, かつ, 簡単に (R, G, B) ↔ (H, V, C) データ相互変換が行えることを確認した.