著者
安達 祥子 笠井 陽介 熊野 七絵
出版者
国際交流基金
雑誌
国際交流基金日本語教育紀要 = The Japan Foundation Japanese-Language Education Bulletin (ISSN:24359750)
巻号頁・発行日
no.19, pp.15-30, 2023-03

「いろどり日本語オンラインコース」は、教材『いろどり生活の日本語』をオンラインコース化したもので、様々な制約により日本語学習の機会が得られない学習者が自学自習できるコースである。開発のコンセプトは、①生活場面で必要な日本語が学べる、②学習者が必要なところだけカスタマイズして学べる、③ストレスなく学べるの3点とし、これらを実現するため、動画や練習コンテンツの制作などを行った。また、コースサイトやページを、だれでも迷わず使えるようにデザインした。コンセプトが実現できているか確認するため分析を行ったところ、ユーザー属性から、想定していたユーザー層が利用していること、ユーザーの行動フロー分析やユーザーアンケートの回答から、それぞれのコンテンツがねらい通りに利用されていることが確認できた。また、ページの閲覧回数やアプリのインストール数から、動画や練習コンテンツのアプリが活用されていることもわかった。
著者
羽太 園 野畑 理佳 東 健太郎 戸田 淑子 安達 祥子
出版者
国際交流基金
雑誌
国際交流基金日本語教育紀要 = The Japan Foundation Japanese-Language Education Bulletin (ISSN:13495658)
巻号頁・発行日
no.13, pp.55-70, 2017-03-01

国際交流基金関西国際センターで実施している外交官・公務員日本語研修では、これまで主教材として『みんなの日本語』を使用していたが、コース目標とカリキュラムのずれ、レベル差の拡大による学習ストレス、日本文化社会理解のシラバスの偏りなどの問題から、平成27年度より『まるごと日本のことばと文化』(以下『まるごと』)を使用することとした。主教材変更に際しては、本研修参加者の多様な背景や学習能力などをふまえ、①職業的な知識や経験の利用、②レベル差への対応、③文法を重視する学習者への対応、の3点に留意してコースデザインを行った。研修の結果、成績下~中位レベルの口頭運用能力の向上、ストレスの軽減、コミュニケーションへの積極性などの変化が明らかになったが、上位レベルのカリキュラムには課題が残った。