著者
佐宗 哲郎
出版者
物性研究刊行会
雑誌
物性研究 (ISSN:05252997)
巻号頁・発行日
vol.81, no.5, pp.598-631, 2004-02-20

現代の物性物理学においては,電子間の相互作用による「多体効果」はもっとも重要な現象である。この講義では,特に強相関電子系を例として,強相関効果を系統的に扱うことのできる動的分子場理論とその最近の発展について概説する。第1章で,強相関電子系の最も基本的な模型であるHubbard模型とAnderson模型の性質について概観し,第2章で動的分子場理論について説明する。第3章では,動的分子場理論を越える最近の試みについて紹介する。
著者
宗 哲 朝倉 安彦 橋本 修
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EMCJ, 環境電磁工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.510, pp.91-95, 2000-12-08
参考文献数
12
被引用文献数
5

我々はすでに, エポキシ樹脂に酸化チタン32phrおよび炭素粒子1phrを含有した損失材料を用い, 50〜110GHz帯において, ミリ波用電波吸収体を実現している.本研究では, この材料を用い, さらに5GHz帯において複素比誘電率を測定し, 電波吸収体を実現することを試みた.この結果, 5GHz帯においてもその複素比誘電率は, ほぼ無反射曲線上にあることを確認するとともに, その結果から設計・製作した電波吸収体は, 暑さ3.82mmにおいて, 最大吸収量40〜45dB程度, およびTE・TM両偏波に対し, 0°〜35°程度の入射角度範囲において, 20dB以上の吸収量を示すことが確認できた.
著者
宗 哲 橋本 修 朝倉 安彦
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 B (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.J84-B, no.10, pp.1901-1904, 2001-10-01

酸化チタン32 phr及び炭素粒子1 phrを含むエポキシ樹脂の50~110 GHzにおける複素比誘電率は,無反射曲線の近傍にあり,しかも周波数の変化とともにほぼ無反射曲線に沿って変化する.このため,厚さを変化させることにより,任意の周波数に対応した電波吸収体を実現できることが確認されている.本論文では,この材料の5~26 GHz帯における複素比誘電率を測定した結果,これらの周波数帯においてもその値はほぼ無反射曲線上に存在することを示すとともに,一例として5 GHz帯における電波吸収体を設計,製作し,40 dB以上の吸収性能を有する電波吸収体が実現できることを確認した.