- 著者
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定永 靖宗
坂東 博
竹中 規訓
- 出版者
- 大阪府立大学
- 雑誌
- 萌芽研究
- 巻号頁・発行日
- 2007
平成20年度では、都市大気中の有機硝酸エステルの総量(ANs)を求めることを目的として、熱分解レーザー誘起蛍光法(TD-LIF)を用いて、有機硝酸エステルの総量を測定するシステムの構築を行なった。都市大気中の有機硝酸エステルの総量(ANs)を求めることは、都市域での有機硝酸エステルの濃度の目安となる情報を与える点で有益である。熱分解レーザー誘起蛍光法とは、試料大気に350℃程度の熱をかけることで、有機硝酸エステルとパーオキシアシルナイトレート(PANs)が分解し、NO_2を生成する。そのNO_2をレーザー誘起蛍光法で測定することにより、NO_2+PANs+ANsの濃度が測定できる。一方、試料大気に150℃程度の熱をかけるとPANsのみが熱分解するので、この場合、NO_2+PANsの濃度が求まる。両者の差分をとることにより、ANsの濃度が求まる。まず、レーザー誘起蛍光法によるNO_2測定装置の構築および、装置の最適化を行なった。その結果、本装置でのNO_2の検出下限がS/N=2,積算時間1分で50pptvとなり、実大気測定をするにあたり十分な性能が得られた。また、石英管とヒーター、SSRを用いて、自動でANsの測定を行なうためのシステムを構築し、1分毎にNO_2+PANs+ANsライン、NO_2+PANsラインを自動で切り替えるようにすることに成功した。