著者
竹中 規訓
出版者
japan association of food preservation scientists
雑誌
日本食品低温保蔵学会誌 (ISSN:09147675)
巻号頁・発行日
vol.21, no.3, pp.143-151, 1995-08-31 (Released:2011-05-20)
参考文献数
27
被引用文献数
1
著者
野呂 和嗣 服部 祥平 植村 立 福井 幸太郎 平林 幹啓 川村 賢二 本山 秀明 吉田 尚弘 竹中 規訓
出版者
一般社団法人日本地球化学会
雑誌
日本地球化学会年会要旨集
巻号頁・発行日
vol.64, 2017

<p>アイスコアに保存された硝酸の濃度及び安定同位体組成(d<sub>15</sub>N)は、古気候解析において有力な情報であると考えられる。しかし、硝酸は積雪として沈着した後、揮散もしくは紫外線による光分解反応によって消失することが知られており、このときに同位体分別を伴うことから、残留した硝酸には<sub>15</sub>Nが濃縮し大気中硝酸のd<sub>15</sub>N値比べて極めて高いd<sub>15</sub>N値が観測される。この沈着後の硝酸分解過程は清浄な南極大気において貴重な窒素酸化物生成源であり、南極における大気化学反応場(= 大気酸化剤の相対寄与)を変化させる重要な要因でもある。このように、南極における硝酸の積雪後の変化を解明するため、本研究では東南極ドローニングモードランドの沿岸部から内陸部にかけて採取された雪中の硝酸のd<sub>15</sub>N値を分析し、積雪中の硝酸光分解反応の地域間差異を推定した。</p>
著者
大山 正幸 竹中 規訓 中島 孝江
出版者
大阪府立公衆衛生研究所
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2010

毎年5名の喘息症状有症者を対象に、9月から約3カ月間、週毎の室内の亜硝酸(HONO)や二酸化窒素(NO_2)やオゾン(O_3)の濃度を測定し、毎日の喘息発作や呼吸器症状を調べた。その結果、U検定ではNO_2と喘息発作との関連に有意差は無かったが、HONOと喘息発作との関連に有意差が認められた(P=0.0013)。また、測定局データを利用した多変量解析後でも、HONOと喘息発作との関連に有意差が認められた。今回の結果は、NO_2よりHONOの方が喘息発作との関連が強いことを示唆する。
著者
井関 将太 定永 靖宗 松木 篤 岩坂 泰信 佐藤 啓市 竹中 規訓 坂東 博
出版者
公益社団法人 大気環境学会
雑誌
大気環境学会誌 (ISSN:13414178)
巻号頁・発行日
vol.45, no.6, pp.256-263, 2010-11-10 (Released:2011-06-05)
参考文献数
25
被引用文献数
2

石川県能登半島珠洲で2008年12月からオゾンと一酸化炭素の測定を行い、東アジアの汚染された地域からの長距離輸送の観点から、季節変動・日内変動について解析を行った。オゾンと一酸化炭素濃度は、季節変動として春に高濃度、夏に低濃度となった。珠洲に到達する気塊を、後方流跡線解析を用いて、ロシア・中国・日本由来に分類したところ、春にロシアや中国からの大陸由来の割合が高くなり、夏に日本由来の割合が高くなった。区分別に見ると、中国由来の気塊が一年を通して高濃度となり、同じ大陸由来でも、ロシア由来の気塊は日本由来よりも低濃度になる傾向が見られた。日内変動を見ると、各月においてO3は日中の午後に最高値を示すが、COは一貫した変動を示さなかった。O3の日内最小値の月変動は、気塊の由来と長距離輸送中の光化学O3生成によるものであり、日中のO3増加量の月変動は、観測値近傍での光化学O3生成であると考えられた。また、日中のO3増加量と積算日射量との間には高く正の相関があることが明らかになった。
著者
坂東 博 竹中 規訓
出版者
大阪府立大学
雑誌
特定領域研究(A)
巻号頁・発行日
1998

大気中のペルオキシラジカル(HO_2+RO_2、R=アルキル基等)は、炭化水素-HOx-NOxの連鎖反応サイクルを通して大気光化学反応系を駆動する重要な反応中間体である。本研究課題では測定系に吸引された試料大気に高濃度のCOとNOを添加し、一定条件下のHOx+NOx+CO連鎖反応サイクルで生産・蓄積するNO_2の量を測定することにより元の大気中のペルオキシラジカルの濃度を求める「化学増幅法」反応装置を作製し、目的の測定を行った。増幅されたNO_2の測定には従来から知られているルミノールとの化学発光法を使って実環境試料を対象に測定を行った。また、新しい技術として大気中に共存する他の酸化剤の妨害を受けない高選択性カップリング反応を利用した蛍光法によるNO_2検出技術の開発も平行して試みた。実環境大気に測定は(1)島根県隠岐島後国設隠岐酸性雨測定局(期間:98/7/22〜8/10)、(2)大阪府堺市大阪府立大工学部建物屋上(期間:98/9/10〜10/30)で行った。(1)は離島で人為影響の少ない遠隔地の代表的大気、(2)は都市域の典型的な汚染大気が測定対象である。(1)ではペルオキシラジカル濃度は太陽光強度と良い相関を示し、晴れた日の日中正午頃に最大濃度30-40ppt程度を示し、大気中ラジカルが光化学的に生成しているという従来の説を支持する結果を与えた。これに対して、(2)の測定では、日中13-14時頃に最大濃度20-30pptを示す点は(1)と同じであるが、日没後19-20時頃になってもラジカル濃度は10-20ppt近くも維持され、光化学的な発生とは違うラジカル発生機構が存在することが明らかになった。他汚染物質との相関から、この発生にはオゾン+オレフィンあるいは、NO_3ラジカル+オレフィン反応が関与している可能性が示唆された。新しいNO_2検出法開発として、3-aminonaphthalene-1,5-disulphonic acid(C-acid)を蛍光試薬とする系について、その蛍光スペクトル、強度分布、亜硝酸との蛍光体形成反応の条件等、基礎的な検討を行った。実用上の問題として、NO_2の溶液への取り込みの効率を高める必要があることが判明した。
著者
定永 靖宗 坂東 博 竹中 規訓
出版者
大阪府立大学
雑誌
萌芽研究
巻号頁・発行日
2007

平成20年度では、都市大気中の有機硝酸エステルの総量(ANs)を求めることを目的として、熱分解レーザー誘起蛍光法(TD-LIF)を用いて、有機硝酸エステルの総量を測定するシステムの構築を行なった。都市大気中の有機硝酸エステルの総量(ANs)を求めることは、都市域での有機硝酸エステルの濃度の目安となる情報を与える点で有益である。熱分解レーザー誘起蛍光法とは、試料大気に350℃程度の熱をかけることで、有機硝酸エステルとパーオキシアシルナイトレート(PANs)が分解し、NO_2を生成する。そのNO_2をレーザー誘起蛍光法で測定することにより、NO_2+PANs+ANsの濃度が測定できる。一方、試料大気に150℃程度の熱をかけるとPANsのみが熱分解するので、この場合、NO_2+PANsの濃度が求まる。両者の差分をとることにより、ANsの濃度が求まる。まず、レーザー誘起蛍光法によるNO_2測定装置の構築および、装置の最適化を行なった。その結果、本装置でのNO_2の検出下限がS/N=2,積算時間1分で50pptvとなり、実大気測定をするにあたり十分な性能が得られた。また、石英管とヒーター、SSRを用いて、自動でANsの測定を行なうためのシステムを構築し、1分毎にNO_2+PANs+ANsライン、NO_2+PANsラインを自動で切り替えるようにすることに成功した。