著者
宮口 智成
出版者
分子シミュレーション学会
雑誌
アンサンブル (ISSN:18846750)
巻号頁・発行日
vol.18, no.3, pp.155-158, 2016-07-31 (Released:2017-07-31)
参考文献数
13

一分子計測実験等で得られた分子軌道の時系列データ解析手法として, 時間平均二乗変位(time-averaged mean square displacement: TMSD) テンソルを用いた方法を提案する. 具体例として, 簡単な高分子モデル(レプテーションモデルと剛体棒状ポリマー) に対し, この解析手法を適応した結果を紹介する. 特に,TMSDテンソルの相関関数に生じるクロスオーバー現象から最も遅い緩和モードの緩和時間が得られることを示す.
著者
金児 正史 成川 公昭 宮口 智成 平野 康之 Masafumi KANEKO Kimiaki NARUKAWA Tomoshige MIYAGUCHI Yasuyuki HIRANO
出版者
鳴門教育大学
雑誌
鳴門教育大学研究紀要 = Research bulletin of Naruto University of Education (ISSN:18807194)
巻号頁・発行日
vol.34, pp.97-108, 2019-03-11

We have taken a class on an isoperimetric problem for lower secondary school students who have high motivation to mathematics. In this paper, we have considered the lesson plan on an isoperimetric problem for the students and decided the goal of this class is to prove the theorem as below. 'A polygon which has the biggest area with same constant perimeter is a regular polygon.' After the class on an isoperimetric problem, we have realized the goal of isoperimetric problem for lower secondary school students will be suitable and have recognized strongly the mathematical experiments will be an important impact for this class.
著者
相澤 洋二 宮口 智成 宮口 智成
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

ハミルトン系カオスの示す新たなエルゴード問題を拓くために、(i)長時間ゆらぎ(非定常カオス)の異常性出現のメカニズムの探求と(ii)非平衡状況下におけるカオス構造の探求に挑戦した。現在までカオスのエルゴード性の研究は、すべて孤立力学系を対象にして発展してきたものであり、注目する力学系の対象を非定常系や開放系にまで拡張してゆこうとする上記二つの挑戦は、従来のハミルトン系のエルゴード性の研究の単純な延長では把えきれない部分が多くあるため、モデル構成や注目する観測量について工夫を凝らし、計算機実験および理論計算を推進した。まづ、ハミルトン系の特徴である長時間相関の現象を整理し、次にそれらが非平衡条件下でどのように効果を及ぼすか、という問題を順次追求した。非定常性に関する研究では、これまでの無限測度系に対する研究手法を一様測度を持つハミルトン系にまで拡張する方法を開発した。これによって一様測度の下でも異常拡散や補足時間の発散などが出現することを理論的に明らかにした。この手法は2次元以上に拡張することはまだできていないが、一般次元のハミルトン系に出現する補足時間のlog-Weibull分布の指数依存性から多くの統計量の異常分布(大偏差特性)を評価する上で非常に意義のある結果と思っている。開放系のエルゴード特性の探求では、熱伝導と運動量輸送に関する多体ハミルトン系(格子振動系、剛体球分子系)を扱い、エントロピー生成に関する分布関数と局所的不安定指数(リヤプノフ指数)の解析を行い、局所的カオスが定常状態の実現とゆらぎ定理の基盤になっていることを確認し、ゆらぎ定理が保証するフーリエ則が非線形性を一般に示すことを高次のモーメントまで考慮することによって理論的に示し、計算機実験によってほぼ確認することにも成功した。また運動量輸送に生じる非散逸的輸送量(虚数部分)に対しても同様の結果を導くとともに、新しいタイプのゆらぎ定理の存在を暗示する計算結果を得たことは、リヤプノフ指数に基礎を置いたこれまでのカオス解析の考え方に変更を迫るものと思っている。以上のほかに、熱伝導・運動量輸送に関するシミュレーションにおいて、通常のフーリエ則が成立するには、いくつかの条件(例えば非線形パラメータが十分に大きいなど)が必要であることも、まだ定性的な段階であるが、いくつか得ており、今後のより精密な研究の基礎となる重要な結果と思っている。