著者
小野沢 あかね 吉見 義明 金 富子 宮城 晴美
出版者
立教大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2019-04-01

韓国では買春処罰を規定した性売買防止法の制定(2004年)をきっかけに、性売買を性搾取ととらえて性販売女性(いわゆる売春に従事する女性やAV出演女性を本研究ではこのように呼ぶ)の非犯罪者化を目指す「性売買問題解決のための全国連帯」が結成され、各地における相談所・シェルター・自立支援センターの設置、政府による生活援助金の支出を実現した。さらに性販売経験当事者女性たち自身による反性売買運動が展開している。本研究は、脱性売買支援運動に関して、日韓で差異が生み出された歴史的背景の分析を行いつつ、世界の脱性売買支援活動にも視野を広げ、当事者視点に立つ脱性売買支援とはどうあるべきかを考察する。
著者
秋林 こずえ 宮城 晴美
出版者
同志社大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

米軍による性暴力の問題に取り組んできた基地・軍隊を許さない行動する女たちの会を沖縄フェミニズムの中核と位置付け、検討した。会は米軍が長期駐留する韓国や、米国本土、国連などで市民社会でのトランスナショナル・ネットワーク構築を目指す傾向が強くなってきている。そこでは新たな基地建設に抵抗する連帯とともに、基地の移設ではなく脱軍事化が追求されている。軍事占領下での米軍の性暴力については、沖縄県立公文書館で資料を見つけ、1945年以降の沖縄での米兵による性犯罪の年表を改訂した。国際的な平和構築政策に関しては、紛争下の性暴力が軍隊組織の問題という視点がさらに後退していることが明らかになった。