著者
浅原 正幸 小野 創 宮本 エジソン 正
出版者
日本言語学会
雑誌
言語研究 (ISSN:00243914)
巻号頁・発行日
vol.156, pp.67-96, 2019 (Released:2020-04-14)
参考文献数
65

Kennedy et al.(2003)は,英語・フランス語の新聞社説を呈示サンプルとした母語話者の読み時間データをDundee Eye-Tracking Corpusとして構築し,公開している。一方,日本語で同様なデータは整備されていない。日本語においてはわかち書きの問題があり,心理言語実験においてどのように文を呈示するかがあまり共有されておらず,呈示方法間の実証的な比較が求められている。我々は『現代日本語書き言葉均衡コーパス』(Maekawa et al. 2014)の一部に対して視線走査法と自己ペース読文法を用いた読み時間付与を行った。24人の日本語母語話者を実験協力者とし,2手法に対して,文節単位の半角空白ありと半角空白なしの2種類のデータを収集した。その結果,半角空白ありの方が読み時間が短くなる現象を確認した。また,係り受けアノテーションとの重ね合わせの結果,係り受けの数が多い文節ほど読み時間が短くなる現象を確認した。
著者
小比田 涼介 宮本 エジソン正
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 = IEICE technical report : 信学技報 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.440, pp.7-12, 2014-02-21

先行研究において、CMC (Computer-Mediated Communication)はその匿名性ゆえに、自己開示(本当の自分について話すこと)が行われやすく、シャイな特徴を持つ人において特にそのような傾向が見られると主張されている。本研究では、Twitter上での自己開示に対する匿名性とシャイネスの影響を調査した。結果、Twitter上での自己開示と対面状況での自己開示を比較の上で、以下の2つの知見を得ることができた。1. Twitterを匿名で利用しているユーザーのうち、シャイなユーザーはシャイでないユーザーと比べ、Twitterにおいて自己開示的である。2. Twitterの匿名性がユーザーの恣意的な操作によるものであることから、匿名利用のシャイなユーザーと非匿名利用のシャイなユーザーの間には、パーソナリティや利用動機など何らかの差異があり、その差異によってTwitterがシャイな人にとって自己開示機会となるかどうかが規定されている。
著者
小比田 涼介 宮本 エジソン正
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. TL, 思考と言語 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.440, pp.7-12, 2014-02-14

先行研究において、CMC (Computer-Mediated Communication)はその匿名性ゆえに、自己開示(本当の自分について話すこと)が行われやすく、シャイな特徴を持つ人において特にそのような傾向が見られると主張されている。本研究では、Twitter上での自己開示に対する匿名性とシャイネスの影響を調査した。結果、Twitter上での自己開示と対面状況での自己開示を比較の上で、以下の2つの知見を得ることができた。1. Twitterを匿名で利用しているユーザーのうち、シャイなユーザーはシャイでないユーザーと比べ、Twitterにおいて自己開示的である。2. Twitterの匿名性がユーザーの恣意的な操作によるものであることから、匿名利用のシャイなユーザーと非匿名利用のシャイなユーザーの間には、パーソナリティや利用動機など何らかの差異があり、その差異によってTwitterがシャイな人にとって自己開示機会となるかどうかが規定されている。