著者
幸坂 聡洋 宮本 和明 前川 秀和
出版者
一般社団法人 交通工学研究会
雑誌
交通工学論文集 (ISSN:21872929)
巻号頁・発行日
vol.3, no.5, pp.21-28, 2017-07-01 (Released:2017-07-01)
参考文献数
26

2012 年、国土交通省及び警察庁は自転車の車道通行を大原則とした「歩行者・自転車・自動車を適切に分離した自転車通行空間設計」の考え方等をとりまとめ、新たな自転車通行空間として自転車レーンが位置づけられた。自転車レーンは、自動車交通量の多い道路においても整備されるケースがある。しかし、その効果を交通事故の観点から報告している例は少ない。 そこで、本研究では、東京都区内の自動車交通量の多い道路3区間における自転車レーン整備前後の交通事故発生状況を分析した。その結果、自動車交通量の多い道路では自転車レーン整備後に自動車対自転車の交通事故件数の増加がみられた。さらに、増加した交通事故の特徴を明らかにし、これを踏まえた自転車通行空間の安全性向上に向けた改善方策の検討を課題として提示した。
著者
宮本 和明 安藤 淳 清水 英範
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:02897806)
巻号頁・発行日
vol.1986, no.365, pp.79-88, 1986-01-20 (Released:2010-08-24)
参考文献数
13
被引用文献数
2 6

A model to forecast total demand for housing by its type is built for a metropolitan area. The model is built based on disaggregate behavioral analyses using nested logit models. The nested logit models describe locational behaviors of households, that is, choice between remaining at the present house and moving to a new house, and choice of housing type. They have enough variables to explain these locational behaviors, and the parameters are estimated with good fitness. This study also discusses the way to estimate the numbers of different types of households, which is indispensable in forecasting total demand of housing in the area. It is proved that the forecasting model based on the above mentioned approach can estimate housing demand for the period from 1975 to 1980 in Tokyo metropolitan area with good fitness.
著者
森信 繁 宮本 和明 福田 浩
出版者
広島大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2008

1) 難治性うつ病の病態解明に関するBDNF遺伝子メチル化の解析対象は電気けいれん治療を受けた難治性うつ病群15例であり、治療前後での解析を行った。解析方法は、MassARRAYシステム(SEQUENOM)を用いた定量的メチル化解析法である。Exon 1のプロモーター領域にあるCpGアイランド内のメチル化の解析では、特に本治療によって特徴的に変化する部位は検出されなかった。Exon 4プロモーター及びexon 4内のCpGメチル化の解析でも、特に本治療によって特徴的に変化する部位は検出されなかった。Exon 1プロモーター領域のCpGアイランド内のメチル化の解析結果から、難治性うつ病群と未治療うつ病群を比較すると、難治群で低メチル化であるCpG32や難治群で高メチル化であるCpG4, 71などでのメチル化の程度の違いから、難治性うつ病群と未治療うつ病群は、異なったクラスターに分類される可能性が示唆された。2) 難治性うつ病の病態解明に関する拡散テンソル画像を用いた研究対象は難治性うつ患者8例・健康対照者6例であり、3テスラMRI装置(GE社製Signa Excite HD3.0T)を用い、頭部の拡散テンソル画像を撮像した。得られたデータからfractional anisotropy(以下FA)画像の作成を行った。患者群の前頭前野白質のFA値は健康対照群と比較して、AC-PC線20mm頭側の断面で、有意な減少が見られた。難治性うつ病群で前頭前野白質のFA低値がみられたことから、同部での微細脳構造の異常が示唆され、うつ病症状との関連が考えられる。今回の研究結果は、うつ病の難治化にBDNF遺伝子のメチル化の変化や前頭前野の白質構造の変化が関与していることを示唆していると思われる。