著者
宮本 悌次郎
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
調理科学 (ISSN:09105360)
巻号頁・発行日
vol.25, no.2, pp.159-166, 1992-05-20 (Released:2013-04-26)
参考文献数
37
被引用文献数
2
著者
和辻 敏子 宮本 悌次郎
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
調理科学 (ISSN:09105360)
巻号頁・発行日
vol.21, no.3, pp.213-218, 1988-11-20

植物たん白に対するKFプロテアーゼの作用と、調理への応用を検討するために、プロテアーゼ処理した植物たん白からの遊離アミノ態窒素の定量、KF汁入りのクッキー、揚げボールと対照の官能検査、クッキーの硬さ、グルテンにプロテアーゼを作用させた場合のグルテン残存率の測定と、電気泳動等を行い以下の知見を得た。1.植物蛋白に対するプロテアーゼの作用は、KFでは木綿豆腐、高野豆腐、小麦粉に強く、きな粉に弱かった。パパインでは小麦粉に強く、きな粉に弱く、パンクレアチンでは、高野豆腐、豆乳に強く、うずまき麩、小麦粉に弱かった。2.調理へのKF利用として、KF汁入りクッキーは官能検査により、バター、卵が減量できると考えられた。又ドリュールなしでも良い焦げ色が付き、焼く時間も短く、歯ざわりの良いクッキーが出来たが、焼き上がりの形はシャープさに欠けていた。3.KF汁入りクッキーとコントロールのクッキーの硬さは、硬度計により有意水準0.5%でコントロールのクッキーが硬かった。4.揚げボールの官能検査結果からKF汁入り揚げボールは、BPを使用しなくても統計的に有意においしく、又さっくりとして、砕けやすかった。5.グルテンに対する作用をKF汁としょうが汁のプロテアーゼについて調べた結果、KF汁の方がしょうが汁よりも、グルテンに対する作用が強く、官能検査結果と一致した。6.電気泳動結果から、KFとグルテンとの反応〓液では、標準牛血清アルブミンの2量体付近及び標準アルドラーゼ付近にバンドが見られた。
著者
宮本 悌次郎 山崎 匡美 松田 生恵 山本 由喜子
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
調理科学 (ISSN:09105360)
巻号頁・発行日
vol.21, no.4, pp.274-278, 1988-12-20 (Released:2013-04-26)
参考文献数
12
被引用文献数
2

Growth inhibition of bacteria in chicken bone soup by four ground spices used commonly for the soup, namely clove, thyme, laurel and black pepper, was investigated. Bacterial growth was measured by the plate colony count method.1. Commercially available ground spices especially black pepper were contaminated with spore forming bacteria. Therefore black pepper and thyme suspended in the soup were autoclaved at 121°C for 20 min. and 10 min., respectively and the soup suspended clove and laurel was gently boiled for 5 min.2. Each spice was added into the soup at the same concentration. The soup with spices was distributed into sterile open bottles. These bottles were kept in the laboratory for 30 min., then capped and stored in a room at 23°C. Growth inhibition of bacteria in the soup was observed in the presence of 0.05% each of four spices, and complete prevention of the growth for 9 days was achieved by adding 0.125%, each.3. Escherichia coli IFO 3301 inoculated into the sterilized soup was little sensitive against 0.125% each spice. But the growth of Staphylococcus aureus IFO 3761 was inhibited by 0.05%each, and in the presence of 0.125% each, these spices exhibited bactericidal activity. In the soup adjusted to pH 5.0 with acetic acid, E. coli did not grow regardless of spices, however the growth of S. aureus was inhibited in proportion to the concentration of spices, yet the bacteria could grow a little up to 0.125% each.4. Comparisons of growth inhibition of S. aureus by some assortments of these spices indicated that any of these four spices contributed to the inhibition, but clove was most effective.5. The soup supplemented into bouillon medium suppressed the antibacterial activity of clove extract against S. aureus.
著者
和辻 敏子 宮本 悌次郎
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
調理科学 (ISSN:09105360)
巻号頁・発行日
vol.22, no.4, pp.317-321, 1989-12-20
被引用文献数
1

KFを入れたゼラチンゼリーを調製するために、KFプロテアーゼの阻害を検討して次の結果を得た。1)検討した阻害剤のうちでは、シナモンの精油成分であるシンナムアルデヒドは、明らかにその効果が認められた。その他の精油成分や香辛料油出液については、抑制効果を認めたものがあるが、官能的に使用できる濃度ではなく、阻害剤として今回の目的に利用できるものはなかった。2)官能検査結果では、CA添加KFスライスゼリーと無添加のKFスライスゼリーとの間に、有意水準2%で香に、又有意水準5%で総合評価に於いて、CA添加KFスライスゼリーの方が好まれた。KFさく汁、又は沈殿物とCAを添加したゼリーの香は、有意に対照ゼリーよりも好まれた。これらの結果からKFにCAを添加するか、又はゼラチン液及びカラギーナン液で層状ゼリーを作りKFをカラギーナン層に加える事により官能的に実用可能なゼリーの形成が見られた。3)KFスライスを入れたゼリーの強度は、対照ゼリーより低下したが、これに官能的に可能な濃度のCAを加えることにより、対照ゼリーの強度近くまで回復をした。4)以上の結果からCAを添加したKFスライスを使用したゼラチンゼリーは、香を改善するとともに、KFプロテアーゼを阻害して対照ゼリーに近いゼリー強度を示すゼリーの形成を認めた。