著者
古市 昌一 水野 政治 松本 聡 宮沢 稔 青山 和弘 高橋 勝己 宮田 裕行
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.54, pp.437-438, 1997-03-12
被引用文献数
2

バーチャルプロトタイピングの積極的な導入による, 設計開発コストの低減が進んでおり, 設計開発支援用の各種シミュレータ製品の導入や, 独自に開発したシステムの効果的な利用が進んでいる. しかし, それぞれは独自の入出力仕様で作られているのが普通で, 連接して大規模なシミュレーションを行ったり, 組み合わせて再利用するのは大変難しい. これらを可能とするためには, 異機種シミュレータを接続するための共通接続アーキテクチャと, インタフェースの標準化が必要である. フライトシミュレータに代表される訓練用リアルタイムシミュレータの接続においては, プロトコル仕様 DIS (Distributed Interactive Simulation)が1993年に IEEE 標準となり, 遠隔地に設置された訓練用シミュレータを DIS で接続し, 大規模演習に広く利用されている. 米国防総省は, 更に広範な異機種シミュレータの連接を目的とし, 1995年に接続アーキテクチャ HLA (High Level Architecture) を提案し, HLA を中核とした DIS の将来仕様 DIS++ の標準化を1996年より開始した. 我々は, バーチャルプロトタイピング環境の接続基盤として DIS++ の適用可能性を研究するため, 中核ソフトウェア HLA-RTI(Run Time Infrastructure)の主要部と, 評価用に DIS++ 準拠シミュレータを試作した. 本稿では, まず DIS++ の核である HLA の概要と, 実現のための技術課題を述べ, 次に試作したシステムの概要を述べ, 最後に本システムの応用に関して述べる.
著者
宮沢 稔 岡本 雅巳 笠原 博徳
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.48, pp.25-26, 1994-03-07

マルチプロセッサシステムにおける従来のFortran自動並列化コンパイラではDo-allやDo-acrossなどのループ並列化のみが用いられていた.この場合,ループ以外の部分の並列性,たとえば基本プロック内部の並列性や,基本プロック,ループ,およびサプルーチン間の粗粒度並列性を利用することはできなかった.筆者らは以上のような間題を解決するため,従来よりマルチグレイン並列処理手法を提案してきた.これは,基本プロック,ループ,サブルーチンより定義される粗粒度タスク(マクロタスク)の並列処理(マクロデータフロ処理),中粒度並列処理(ループ並列化),細粒度並列処理を階層的適用した並列処理手法である.
著者
赤鹿 秀樹 岡本 雅巳 宮沢 稔 安田 泰勲 笠原 博徳
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.52, pp.73-74, 1996-03-06

マルチプロセッサシステムにおける従来のFortran自動並列化コンパイラではループ並列化が主に用いられていたが,プロセッサ台数の増加と共に,ループ並列化だけではスケーラブルな処理速度が望めなくなっている.そこで,筆者等は従来自動並列化が不可能であったループ以外の並列性,例えば,基本ブロック,ループ,サプルーチン間の並列性を利用した粗粒度タスクの並列処理(マクロデータフロー処理)手法および基本ブロック内部の近細粒度並列処理手法を提案している.また,筆者等は粗粒度・中粒度(ループ並列化)・近細粒度並列処理を階層的に適用する並列処理理手法であるマルチグレイン並列処理手法,さらにループ内あるいはサブルーチン内の粗粒度並列性を階層的に利用してクラスタ内部で階層的にマクロデータフロー処理を行なう階層型マクロデータフロー処理も提案している,この階層型マクロデータフロー処理では,粗粒度タスク間のスケジューリング方法として,ダイナミックスケジューリング,スタティックスケジューリングを使い分けて行なうことにより,スケジューリングの際に生じるオーバーヘッドを抑えるようにしている.本稿では,階層型マクロデータフロー処理におけるマクロタスクのスケジューリング手法について提案する.
著者
岡本 雅巳 合田 憲人 宮沢 稔 本多 弘樹 笠原 博徳
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.35, no.4, pp.513-521, 1994-04-15
被引用文献数
32

本論文ではFortranプログラムにおける、基本ブロック・ループ・サブルーチン間の粗粒度並列性を階層的に利用する階層型マクロデータフロー処理手法について述べる。筆者らは既に粗粒度タスク間の並列性をマクロタスクの最早実行可能条件解析を用いて自動抽出する単階層のマクロデータフロー処理手法を実現している。階層型マクロデータフロー処理は、従来の単階層マクロデータフロー処理では利用していなかったループやサブルーチン等のマクロタスク内部の粗粒度並列性も抽出することを可能にする。特に、本論文では階層型マクロデータフロー処理手法におけるマクロタスクの階層的定義手法、マクロタスク間の階層的並列性抽出手法、および階層的に定義されたマクロタスクの階層的なプロセッサクラスタヘのスケジューリング方式について述べる。また、本手法のOSCAR上での性能評価の結果についても述べる。