著者
宮田 潤子 濱田 裕子 川田 紀美子 藤田 紋佳 森口 晴美 小幡 聡 桐野 浩輔
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2021-04-01

排泄障害が原因で女性としての自尊心に傷を負いながら成人に至る患者に対する支援を考える。その第一歩として、総排泄腔遺残症という排泄障害と性機能障害を合併する稀少難病の患者を対象として研究に取り組む。患者・家族、医療従事者が求める支援を明らかにし、全国的な支援体制構築の促進、支援の均てん化に繋げることを目指す。第一段階は患者・家族、医療従事者を対象にアンケート調査を行い、各々のニーズを明らかにする。第二段階として、第一段階の結果をもとに、患者・家族らによる闘病体験手記を出版する。患者の苦悩を広く公にし、現状に沿った情報が行き届かない全国の患者・家族へ患者側の視点による情報提供を行う。
著者
川田 紀美子 牛島 廣治 宮田 潤子 濱田 裕子 野口 ゆかり
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2019-04-01

総排泄腔遺残症は、女児にのみ発生する、胎生期に尿道・膣・直腸が分離不全を来し、排泄孔を一つしか持たない先天的難治性稀少泌尿生殖器疾患である。出生直後からの複数回の手術により生殖器に後遺症状を伴うため、思春期には恋愛や性交、妊娠等に支障を来す場合が多い。そのため患者には性に関する特別な配慮が必要であるが、セクシャルヘルスへの支援には母親の役割が不可欠であり、本研究結果より母親を含めた支援システムの構築を目指す。具体的には、国内複数の病院で通院治療を受けている総排泄腔遺残症患者とその母親を対象に調査を行い、母親による患者への家庭内性教育の実情と母子関係の特徴、およびそれらの関連について検討する。