著者
前田 綾 宮脇 正一 大賀 泰彦 中川 祥子 古川 みなみ 上村 修司 井戸 章雄 日野 沙耶佳
出版者
鹿児島大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2023-04-01

本研究では、胸焼けなどの不快感と求心性の内臓知覚とストレス物質の動態に着目し、食道内酸刺激で産生されるメディエーターおよびストレス物質の動態などの神経免疫学的観点からブラキシズムの発症メカニズムを解明することである。また、求心性知覚神経を介した胸焼け等の不快感を自覚させる食道知覚とストレス物質の動態が咬筋活動を増加させることに着目し、ブラキシズムの発症のメカニズムを解明する。これらが明らかとなれば、上部消化器疾患と精神疾患およびブラキシズムに関する難治性の病因について新たな知見を提供して新規治療方法の開発に繋がる可能性があり、患者のQOL向上ひいては健康寿命の延伸に繋がると考える。
著者
富田 和男 桑原 義和 高 裕子 並河 英紀 西谷 佳浩 漆原 佑介 山西 沙祐里 古川 みなみ 宮脇 正一 栗政 明弘 福本 学 佐藤 友昭
出版者
東北医科薬科大学
雑誌
東北医科薬科大学研究誌 = Journal of Tohoku Medical and Pharmaceutical University (ISSN:24325724)
巻号頁・発行日
no.64, pp.49-55, 2017

Oxidative stress is a harmful state for the cell. The state arises from exposure to high levels of reactive oxygen species(ROS).ROS is a key molecule in maintaining cell proliferation, inflammation and cell death. ROS is also involved in aging and causes many diseases such as Parkinson s disease, Alzheimer s disease, cancer, diabetes mellitus and periodontal disease. The primary site of ROS generation in vivo is mitochondria. Mitochondria have its own DNA(mtDNA)that encodes a part of oxidative phosphorylation component proteins in mitochondria, and mtDNA damage by ROS causes neurodegenerative diseases and various types of cancer. Therefore, these damaged cells will provide valuable cell models to study oxidative stress and overcome ROS derived diseases. To analyze the mechanism of oxidative stress and ROS derived diseases, mtDNA depleted cells(ρ0 cells)are developed by treating low dose ethidium bromide. ρ0 cells do not have mtDNA, can't survive without pyruvate and uridine, produce little amount of ATP, sensitive to oxidative stress and generate higher ROS compared with parental cell. in this review, we describe the cellular response by oxidative stress such as radiation and hydrogen peroxide using ρ0 cells. we also discuss the relationship among oxidative stress sensitivity, mitochondria damage and plasma membrane status.
著者
高田 寛子 大牟禮 治人 永山 邦宏 宮脇 正一
出版者
鹿児島大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

健康な男性患者に対して、咀嚼が消化管ホルモンの血中濃度や胃の活動(胃排出能、胃電図)、自律神経機能に与える影響を調べることとした。消化管ホルモンの項目はグルコース、インスリン、ガストリン、グレリン、CCK, GLP-1とした。5時間かけてデータの採取を経時的に行い、採決済シリンジは各ホルモンに応じて処理を行い、実験終了後にすべての資料はサンプルボックスに入れて保管し、データ解析を行った。4人の被験者に対して、咀嚼ありなしの条件で、これらの実験を行ったが血中ホルモン濃度に有意な差は認められなかった。今後、被験者を増やすと同時に咀嚼筋障害を持つ患者に対しても調べる予定である。
著者
宮脇 正一
出版者
日本顎口腔機能学会
雑誌
日本顎口腔機能学会雑誌 (ISSN:13409085)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.16-20, 2006-10-30

ブラキシズムとは,咀嚼筋群が何らかの理由で異常に緊張し,上下の歯を無意識にこすり合わせたり,くいしばったり,連続的にカチカチとかみ合わせたりする習癖で,歯科医学の分野では,異常機能活動(parafunction)と考えられている.また,睡眠医学の分野では,睡眠時ブラキシズムは睡眠時随伴症(parasomnia)に分類されている.ブラキシズムは,歯ぎしり音による同居者への睡眠妨害の他に,歯の咬耗や楔状欠損等に起因する知覚過敏,補綴物の破損,歯周病の悪化,歯根吸収,歯肉退縮,咬筋肥大,咀嚼筋の疲労感やこわばり,一時的な頭痛および顎関節症等の様々な口腔疾患を引き起こすことが報告されている.さらに,ブラキシズム患者は子供に多く認められ,その後経年的に頻度が低下すると報告されている.ブラキシズムの関連因子として,これまで,微小覚醒などの睡眠時の覚醒現象,睡眠時無呼吸,脳内神経伝達物質,喫煙,カフェイン摂取,ストレス,遺伝的・家族的要因,身体運動ならびに体位などが報告されてきた.これらに加えて,私共はブラキシズムが嚥下や胃食道酸逆流と関連があるかもしれないことを報告した.本稿では,このようなブラキシズムに関する基礎的なことに加えて,新たな消化器内科学的考え方について記す.
著者
小山 勲男 宮脇 正一 山本 照子
出版者
日本矯正歯科学会
雑誌
Orthodontic waves : journal of the Japanese Orthodontic Society : 日本矯正歯科学会雑誌 (ISSN:13440241)
巻号頁・発行日
vol.60, no.5, pp.313-318, 2001
被引用文献数
7 1

エッジワイズ治療を行った4症例において, チタンスクリューを大臼歯部あるいは小臼歯部に埋入して不動固定として用いた結果, 有用であることを確認したので報告する.チタンスクリューは歯肉切開を行わずに埋入された.埋入時や撤去時において, 痛みや出血はほとんど認められなかった.本報告で提示した4症例の治療経過から, 歯科矯正臨床においてチタンスクリューを用いた治療は, 患者に対する負担が軽く, 従来の矯正治療のメカニクスでは困難であった臼歯の遠心移動, 臼歯の圧下ならびにレベリングを行いながらの前歯牽引を患者の協力をほとんど得ることなく安全かつ確実に行えることが示唆された.
著者
坂口 勝義 宮脇 正一 永田 順子 山崎 要一 岩崎 智憲 松根 彰志 黒野 祐一
出版者
鹿児島大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

成長発育期の小児における睡眠障害の実態を解明し、顎関節症状、消化器症状、社会心理学的な問題行動などの種々の関連因子との相互関係を明らかにするため、小学校児童を対象に、消化器症状、日中の活動中の眠気、睡眠状態、問題行動について質問紙を用いた調査を行った。睡眠に異常を示す群(睡眠障害群)と正常群に分けたところ、小学校児童の一般集団において睡眠障害を訴える者は30%弱にのぼった。睡眠障害群では、授業中に眠くなる、日中にしっかりと起きていない、日中に疲れたと思うこと、イライラなどの行動的特徴、睡眠時にいびきをかく等に加え、食後におなかのあたりが気持ち悪い、げっぷなどの胃食道酸逆流の症状を示唆する項目、不安や攻撃性などの問題行動が見られた。また、問題行動に関する質問紙調査の結果から分けた問題行動群と正常群について、睡眠障害、胃食道逆流症状を比べたところ、問題行動群では正常群に比べて、睡眠障害と胃食道逆流症状が有意に多く認められた。