著者
赤松 良久 宮良 工 神谷 大介
出版者
公益社団法人 日本水環境学会
雑誌
水環境学会誌 (ISSN:09168958)
巻号頁・発行日
vol.39, no.2, pp.29-37, 2016

本研究では生態系内のエクセルギー (有効エネルギー) 効率に着目した河川生態環境評価法を提案した。本評価法では河川生態系内のエネルギーフローに着目し, 系内のエネルギー効率を高める (エントロピーを最小化する) ことが生態系の健全性の尺度になると考え, エネルギーの質と量を考慮したエクセルギー効率を河川生態環境評価指標とした。本手法を沖縄本島の複数の小河川に適用したところ, エクセルギー効率によって上流にダムを有する河川, 都市河川, 自然河川ではエクセルギー効率には明確な違いがあることが明らかとなった。また, 水質・生物環境からはその違いが明確でない自然河川の中の異なる3区間の生態系の健全性の違いを定量的に評価できる可能性が示された。
著者
神谷 大介 宮良 工 赤松 良久 辻本 真希 乾 隆帝
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B1(水工学) (ISSN:2185467X)
巻号頁・発行日
vol.74, no.1, pp.1-10, 2018 (Released:2018-02-20)
参考文献数
25

本研究では水資源に乏しい亜熱帯島嶼地域における河川自然再生を対象とし,利水安定性を考慮した自然再生優先度の評価を行った.具体的には,沖縄島の河川を対象とし,リュウキュウアユの定着ポテンシャルという視点から自然再生の優先度が高い8河川を決定した.これらの河川は,河川横断構造物であるダムや取水堰が定着阻害要因と考えられるため,利水安定性という観点から堰撤去の可能性を検討した.これらの結果,観光客数が増加するというシナリオにおいても安定給水が可能であり,取水堰撤去が十分可能であることを示した.
著者
神谷 大介 赤松 良久 宮良 工
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集G(環境) (ISSN:21856648)
巻号頁・発行日
vol.69, no.5, pp.I_13-I_18, 2013 (Released:2014-01-21)
参考文献数
12

沖縄県は亜熱帯海洋性気候に属し,特に小規模な島嶼では元々水資源に乏しかった.1972年の本土復帰以降,種々の水資源開発により水供給可能量は増加してきたが,人口および観光客の増加により,需要量は増加しており,給水制限の可能性を高めている.本研究では沖縄県の離島地域における渇水を地域社会の問題として捉え,水道事業の課題を整理し,水に関わる問題を地域社会との関係で構造化した.さらに,座間味島を対象に,観光客増加と住民の節水のみによる給水制限の回避というシナリオ分析を行った.この結果,さらなる節水は非常に困難であることが示唆された.さらに,キャリングキャパシティの考え方を援用して,水資源からみた島の観光客受け入れ容量について提示した.
著者
神谷 大介 赤松 良久 宮良 工
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集G(環境) (ISSN:21856648)
巻号頁・発行日
vol.69, no.5, pp.I_13-I_18, 2013

沖縄県は亜熱帯海洋性気候に属し,特に小規模な島嶼では元々水資源に乏しかった.1972年の本土復帰以降,種々の水資源開発により水供給可能量は増加してきたが,人口および観光客の増加により,需要量は増加しており,給水制限の可能性を高めている.本研究では沖縄県の離島地域における渇水を地域社会の問題として捉え,水道事業の課題を整理し,水に関わる問題を地域社会との関係で構造化した.さらに,座間味島を対象に,観光客増加と住民の節水のみによる給水制限の回避というシナリオ分析を行った.この結果,さらなる節水は非常に困難であることが示唆された.さらに,キャリングキャパシティの考え方を援用して,水資源からみた島の観光客受け入れ容量について提示した.