著者
富来 礼次 岡本 則子 大鶴 徹 上水 隆義 山口 信
出版者
一般社団法人 日本建築学会
雑誌
日本建築学会技術報告集 (ISSN:13419463)
巻号頁・発行日
vol.21, no.47, pp.167-170, 2015-02-20 (Released:2015-02-20)
参考文献数
6
被引用文献数
3 2

An in-situ measurement method using ensemble averaging technique, i.e., EA method, is applied to evaluate absorption characteristics of multi-functional interior materials using porous mortar in development phase. First, absorption characteristics of small specimen are measured by EA method in a reverberation room, and the repeatability of the measurement is confirmed. Next, absorption characteristics of eight kinds of porous mortars with different fine aggregate and porosity are measured by the method, and their absorption characteristics are compared with each other. Finally, the effect of finishing material on absorption characteristics of the porous mortar is examined.
著者
富来 礼次
出版者
大分大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究では、建築材料の吸音性能を評価する最重要の指標の一つである残響室法吸音率について、近年急速に発展している波動音響に基づく非定常音場シミュレーションを駆使し、残響室法吸音率測定値の変動要因と測定誤差の関係の明確化、および残響室法吸音率補正手法の開発と適用範囲の検証を行った。室形状,周波数,測定試料の吸音率・面積の異なる72種の測定音場を対象に有限要素法による非定常音場シミュレーションを実施し、全壁面へ入射する音のエネルギに対する試料へ入射する音のエネルギの割合(r(t))を用いて補正した残響室法吸音率が、補正しない残響室法吸音率と比較し、理想値をより捉えることを示した。
著者
大鶴 徹 富来 礼次
出版者
大分大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2007

研究代表者と分担者はよ緊密な連携のもと当初計画に従い以下実施した。検討1: 粒子速度センサのキャリブレーション手法の確立に向けた検討:当初計画では広帯域(20Hz-20kHz)への拡張を目指す計画としていた。しかし、所有する2台のセンサが交互に不調をきたし、製造元での調整を繰り返すこととなった。本研究の目的が開発途上にある粒子速度センサの可能性を探ることにあり、こうした事態も予め想定した上で2台のセンサを用いてきた。これに伴い当初予定を変更し、本研究の主眼である100Hz~1500Hzの周波数域に対象を絞り、センサの安定性に留意しつつ以下の各項目を実施した。検討2: 粒子速度センサを利用した測定法と既往の測定手法(残響室法、管内法)により得られる吸音特性の関連の明確化:提案手法、残響室法、管内法3者の吸音率を比較し、その相違を定量的に示した。また、建築研究所や日本大学等で測定したラウンドロビン・データをもとに詳細な検討を加え、音源位置-受音位置-試料境界-音圧・粒子速度、の相互関連を実験的に明らかにした。検討3: アンビエントノイズの定義の明確化:高速多重極展開境界要素法を用い、音場のパラメトリックスタディとモンテカルロシミュレーションを実施し、アンビエントノイズの定義並びにその利用による音響測定メカニズムの詳細を解明した。なお、粒子速度センサを利用して材のランダム入射時の吸音特性のアンサンブル平均を測定する際に必要な各条件(センサ位置、試料寸法等)を明らかにし、本研究の成果を活用し材料の開発等を行う際の基礎資料とした。これまでに得られた成果については逐次、日本建築学会、日本音響学会、Internoise (Ottawa、招待論文)、WESPAC(北京)等で公表し、周知と議論に努めた。また、測定メカニズムに関わる基礎的検討の成果はアメリカ音響学会誌で公表した。