著者
寺 朱美 國藤 進
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. WIT, 福祉情報工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.638, pp.7-12, 2005-01-20

視線追跡装置は視線の移動を記録することが可能である。このことから、ある行動に伴ってどのように視線が動くかを知り、その行動の理由・原因を知る手がかりを得ることが可能であると推測できる。本研究では日本語教育の観点を加え、学習者の経験的な知識やスキルが視線移動に反映されるかどうか、どのように反映されるかについて調べた。本稿では特に文化的な背景を担う絵画や文章を対象とする視線移動を観察・分析した実験結果を報告する。
著者
寺 朱美 落水 浩一郎
出版者
日本語教育方法研究会
雑誌
日本語教育方法研究会誌
巻号頁・発行日
vol.1, no.3, pp.36-37, 1994
被引用文献数
1

留学や技術研修の目的で一定期間日本語教育プログラムに参加する学習者は、特に漢字の学習にかなりの困難を感じる。(1)短い期間に集中的に学習せざるを得ないこと(2)学習方法が日本人とは異なること、などが代表的な問題である。このためには、(1)授業の復習を支援し、その中で漢字の用例などの情報が必要に応じて入手できること、(2)漢字の形、音訓、その意味するところを覚えるだけではなく、熟語や漢字で表現される語句、ひいては文中での使い方までも含めた学習を視聴覚を利用して支援できること、が必要である。本稿では、学習者が教室で使用する教科書に従って復習でき、必要な関連情報を随時手に入れることができるような目的を持つ漢字学習システムの構想について報告する。
著者
寺 朱美 杉山 公造
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. WIT, 福祉情報工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.508, pp.43-48, 2006-01-06
被引用文献数
1

日本語学習者の読解上の問題点を知るために、外国人の5つのグループ、比較するための日本語母語話者グループ、あわせて6グループの日本語と英語テキストの読解における眼球運動を計測した。視線データから読解時の被験者の視線移動の場所について調べたところ、中間圏、非漢字圏グループは1〜2文字前方への移動を、漢字圏グループは3〜4文字前方への移動を多用する傾向がみられた。また、日本語圏グループは飛ばし読みと戻り読みを多用する傾向が見られた。本稿ではこれらの結果について報告する。