- 著者
-
寺元 郁博
二宮 正士
- 出版者
- 農業情報学会
- 雑誌
- 農業情報研究 (ISSN:09169482)
- 巻号頁・発行日
- vol.21, no.4, pp.76-84, 2012 (Released:2012-12-27)
- 参考文献数
- 22
- 被引用文献数
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近年GISの利用が広まっており,農業分野においても各種システムが普及しはじめている.GISを使用するためには地図データが必須であるが,これまでは購入しなければならないことが多かった.2008年より国土地理院が基盤地図情報の刊行を開始し,インターネットを介して無償で提供している.しかし,必要な領域のみを取り出し,かつ使用するGISが対応する形式にデータを変換しなければならないので,簡便には使用できない.そこで,基盤地図情報(縮尺レベル25,000)を用いた地図画像配信サービスを開発した.本サービスは,Web Map Serviceと呼ばれるプロトコルに基づき,インターネットを介してGISからの要求を受け付け,地図画像を作成する.GISの多くは,Web Map Serviceクライアントとして動作する機能を持っているので,使用者は,データ変換等を行うことなく,全国の地図を使用することができるようになる.また,一定の条件を満たせば,国土地理院長の承認を経ずにWWWアプリケーションで使用し,これを公開できる.開発したサービスをGISおよびWWWアプリケーションで使用することができることが確認できた.本サービスは,より詳細な基盤地図情報(縮尺レベル2,500)を使用していないため,簡易的な背景図としての使用に適していることが分かった.