著者
吉田 智一 高橋 英博 寺元 郁博
出版者
農業情報学会
雑誌
農業情報研究 (ISSN:09169482)
巻号頁・発行日
vol.18, no.4, pp.187-198, 2009 (Released:2009-12-26)
参考文献数
23
被引用文献数
8 4

多数の圃場を管理する地域農業の担い手が直面している栽培管理事務作業を効率化し負担を軽減する目的で,GIS互換の圃場地図を使用した作業計画管理ソフトを開発している.このソフトは作物生産に関係する圃場や作付から一連の栽培作業,収穫後の調製・出荷に至るまでの様々な生産過程で発生する情報をデータベース化して管理することを基本とし,そのユーザインタフェイスにGIS互換の圃場地図を使用して直感的に分かりやすい視覚的なデータ入力および表示を実現しているところに一つの特長がある.同様の機能は市販のGISソフトを用いても構築可能であるが,本ソフトではデータベースエンジンやマップ表示にランタイムライセンスフリーのコンポーネントを使用し,その上に圃場管理や農作業管理に必要なユーザインタフェイスを実装していることから,無償配布可能となっていることにもう一つの特長がある.本ソフトはWeb公開による利用者からのフィードバックに基づき機能を改良・拡充しながら,現場農業者への普及を進めている.
著者
寺元 郁博 二宮 正士
出版者
農業情報学会
雑誌
農業情報研究 (ISSN:09169482)
巻号頁・発行日
vol.21, no.4, pp.76-84, 2012 (Released:2012-12-27)
参考文献数
22
被引用文献数
1 1

近年GISの利用が広まっており,農業分野においても各種システムが普及しはじめている.GISを使用するためには地図データが必須であるが,これまでは購入しなければならないことが多かった.2008年より国土地理院が基盤地図情報の刊行を開始し,インターネットを介して無償で提供している.しかし,必要な領域のみを取り出し,かつ使用するGISが対応する形式にデータを変換しなければならないので,簡便には使用できない.そこで,基盤地図情報(縮尺レベル25,000)を用いた地図画像配信サービスを開発した.本サービスは,Web Map Serviceと呼ばれるプロトコルに基づき,インターネットを介してGISからの要求を受け付け,地図画像を作成する.GISの多くは,Web Map Serviceクライアントとして動作する機能を持っているので,使用者は,データ変換等を行うことなく,全国の地図を使用することができるようになる.また,一定の条件を満たせば,国土地理院長の承認を経ずにWWWアプリケーションで使用し,これを公開できる.開発したサービスをGISおよびWWWアプリケーションで使用することができることが確認できた.本サービスは,より詳細な基盤地図情報(縮尺レベル2,500)を使用していないため,簡易的な背景図としての使用に適していることが分かった.
著者
寺元 郁博 吉田 智一 高橋 英博
出版者
農業情報学会
雑誌
農業情報研究 (ISSN:09169482)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.33-43, 2007 (Released:2007-04-10)
参考文献数
12

本稿では,WWWベースのアプリケーション開発の分野で注目されている,Ajaxと呼ばれる技術を利用したコンテンツ開発で開発効率を向上させるためのライブラリとして開発したROCOCOライブラリと,Google Maps APIの利用に特化した上位ライブラリのROCOCO Google Mapsについて報告する.ROCOCOライブラリは,XML HTTP通信,JSONP通信,グラフ表示およびマトリクス表示の各機能を持つ.またROCOCO Google Mapsは,生成時に基本的な操作を行うためのメニューを自動生成する機能と,メッシュ塗り潰し画像と地図とを重ね合せて表示する機能を持つ.また,ROCOCO Google Mapsを用いることによる開発効率向上を確認するため,このライブラリを用いて,Webサービスが提供されている水稲生育予測システムおよび露地野菜適作判定支援システムを利用したAjaxコンテンツを開発し,これらのコンテンツ開発ではコード行数が大幅に減少し,コンテンツ開発の効率が向上したのを確認した.
著者
岩崎 亘典 藤田 直子 SPRAGUE David 寺元 郁博 山口 欧志 小野原 彩香
出版者
国立研究開発法人 農業環境技術研究所
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2013-04-01

本研究では、明治時代初期に作成された迅速測図を元に、高解像度・高位置精度のラスタデータを作成するとともに、このデータを元に100mグリッドでの明治時代初期土地利用データベースを構築、公開した。次に、視図,断面図などの図郭外図についてデジタル化と位置の特定を行い、KML形式とCesiumを使ったWebページで公開した。視図が描かれた地点のうち、27地点において高解像度パノラマ写真を撮影し、現在の景観と比較が可能なデータベースを構築、公開した。さらに、国土数値情報との比較により過去130年間の土地地利用・被覆変化を類型化した。これらのコンテンツはライセンスは、CC BY 4.0 国際とした。
著者
吉田 智一 高橋 英博 寺元 郁博
出版者
Japanese Society of Agricultural Informatics
雑誌
農業情報研究 (ISSN:09169482)
巻号頁・発行日
vol.18, no.4, pp.187-198, 2009
被引用文献数
2 4

多数の圃場を管理する地域農業の担い手が直面している栽培管理事務作業を効率化し負担を軽減する目的で,GIS互換の圃場地図を使用した作業計画管理ソフトを開発している.このソフトは作物生産に関係する圃場や作付から一連の栽培作業,収穫後の調製・出荷に至るまでの様々な生産過程で発生する情報をデータベース化して管理することを基本とし,そのユーザインタフェイスにGIS互換の圃場地図を使用して直感的に分かりやすい視覚的なデータ入力および表示を実現しているところに一つの特長がある.同様の機能は市販のGISソフトを用いても構築可能であるが,本ソフトではデータベースエンジンやマップ表示にランタイムライセンスフリーのコンポーネントを使用し,その上に圃場管理や農作業管理に必要なユーザインタフェイスを実装していることから,無償配布可能となっていることにもう一つの特長がある.本ソフトはWeb公開による利用者からのフィードバックに基づき機能を改良・拡充しながら,現場農業者への普及を進めている.<br>