著者
服部 伴之 山口 哲央 間嶋 俊雄 寺嶋 和夫 吉田 豊信
出版者
公益社団法人 日本金属学会
雑誌
日本金属学会誌 (ISSN:00214876)
巻号頁・発行日
vol.63, no.1, pp.68-73, 1999
被引用文献数
3

Hot cluster epitaxy (HCE) is a novel high-rate epitaxial growth mechanism discovered in the study of the plasma flash evaporation method. In HCE, the main deposition species are thermally activated, nanometer-scale clusters (hot clusters), which have unique characteristics such as high internal energy and high sticking probability even at high substrate temperature. Actually, with HCE, deposition of YBa<SUB>2</SUB>Cu<SUB>3</SUB>O<SUB>7&minus;<I>x</I></SUB> epitaxial films at a growth rate of 16 nm/s on the SrTiO<SUB>3</SUB> substrate has been achieved. However, films thicker than 2 &mu;m could not be obtained so far. In this paper, we discuss the &ldquo;charge-up&rdquo; effect of clusters and insulating substrates in a plasma environment as a retarding factor for film growth. Probe measurements and the biasing deposition clarified the charge-up of clusters were charged up during deposition. It was found that more than 60% of the clusters were negatively charged. By using conductive substrates of Nb doped SrTiO<SUB>3</SUB>, or changing Ar composition in Ar-O<SUB>2</SUB> plasma, we could deposit monolayer-smooth epitaxial YBa<SUB>2</SUB>Cu<SUB>3</SUB>O<SUB>7&minus;<I>x</I></SUB> films thicker than 3 &mu;m, with excellent properties; the full width less than 0.14&deg; at half maximum of the X-ray rocking curve of the (005) peak, and the superconducting transition temperature of 92 K. These results suggest the future role of HCE in epitaxial thick film deposition.
著者
白谷 正治 寺嶋 和夫 白藤 立 佐々木 浩一 伊藤 昌文 杤久保 文嘉 斧 高一 後藤 元信 永津 雅章 小松 正二郎 内田 諭 太田 貴之 古閑 一憲
出版者
九州大学
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2009-07-23

本取り纏め研究では、プラズマとナノ界面の相互作用ゆらぎに関する学術的成果を統合・発展させて、より汎用性のある学術大系に結びつけることを目的としている。計画研究代表者を研究分担者として、各計画研究における研究成果を取り纏めるとともに、領域内連携により表れた3つの研究項目に共通する基本原理を統合して体系化する。基本原理の体系化に際しては、すべての研究に関する議論を一度に行うと議論が発散する可能性があるため、ゆらぎ・多相界面・バイオというテーマを設定した個別の研究会を開催し研究分担者が成果を統合した後、シンポジウム等で領域全体での成果統合を行った。平成26年度に取りまとめた、平成21-25年度に新学術領域で得られた成果の概要は以下の様に要約される。これらの成果を成果報告書およびホームページで公開した。ゆらぎに関しては、超高精度トップダウンプロセスの確立(ゆらぎの制御)について、エッチングプラズマに関する実験とシミュレーションの研究グループが連携して、エッチング表面形状揺らぎの機構を解明した。ここでは、揺らぎ抑制法について、従来の物理量を一定にする方法から、物理量に制御した揺らぎを与えて抑制する方法へのパラダイムシフトを起こす事に成功した。また、高精度ボトムアッププロセスの確立(ゆらぎの利用)では、超臨界プラズマに関する実験とモデリングの研究グループの連携により、超臨界プラズマにおける密度ゆらぎ機構を解明し、従来法では得る事ができない高次ダイアモンドイドの合成に成功した。予想以上の顕著な成果として、気液プラズマに関する実験とモデリングの研究グループの連携により気液界面プラズマにおいてナノ界面が存在することを発見した(多相界面プラズマ)。また、高いインパクトを持つ成果として、バイオ応用プラズマ関連の研究グループの連携により、大気圧プラズマ反応系の世界標準を確立することに成功した。