著者
前田 有美恵 石川 雅章 山本 政利 寺田 志保子 増井 俊夫 渡辺 佳一郎
出版者
公益社団法人 日本栄養・食糧学会
雑誌
日本栄養・食糧学会誌 (ISSN:02873516)
巻号頁・発行日
vol.38, no.6, pp.447-450, 1985-12-10 (Released:2010-02-22)
参考文献数
16
被引用文献数
5 4

イワシについて焼く, 煮るめ調理を行なった場合のイワシ中の不飽和脂肪酵の安定性を明らかにするために, 脂肪酸組成およびEPA, DHA含有量の変化を検討した。またイワシ中の脂肪酸とEPA食品のそれとを比較し, 次の知見を得た。1) イワシ中のEPA, DHAをはじめとする不飽和脂肪酸は, 焼く, 煮るの加熱調理を行なっても安定で脂肪酸組成は変化しなかった。2) 生魚に比べ焼魚はEPAが17%, DHAが15%減少したが, これは脂質の減少 (20%) にほぼ比例していた。また煮魚ではEPAおよびDHAはほとんど減少しなかった。すなわち, 焼魚, 煮魚ともに調理によるEPAおよびDHAの極だった損失はないことが明らかになった。3) イワシ (11月) は可食部1g当たりEPAを24.9mg, DHAを31.7mg含有していた。同量のEPAおよびDHAを摂取するのにEPA食品ではイワシの12~36倍も高価であった。こうしたことより安全性, 経済性および栄養の面を考慮すると, EPAおよびDHAの摂取にはEPA食品よりもイワシを活用するほうが望ましい。
著者
寺田 志保子 前田 有美恵 増井 俊夫 鈴木 裕介 伊奈 和夫
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
日本食品工業学会誌 (ISSN:00290394)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.20-27, 1987-01-15 (Released:2009-04-21)
参考文献数
12
被引用文献数
10 34

(1) HPLCによるカフェイン,カテキン類(5成分)の同時分離定量法について検討の結果,カラムULTRON N-C18を用い,0.1%リン酸溶液(0.1%アセトニトリル及び5% N, N-ジメチルホルムアミド含有)及びアセトニトリルによるグラジエント溶出法により精度よく分離定量することが出来た.(2) 上記方法により,同一原料からモデル製造した各種茶,台湾及び中国産鳥竜茶,市販鳥竜茶のカフェイン,カテキン類濃度を定量した.(3) 各種茶のカフェイン濃度はあまり差がなかったがカテキン類は醗酵が進むにつれて減少することから,カテキン5成分のカフェインに対する組成比率を用いて各種茶の分類が可能であった.(4) 市販鳥竜茶のリーフティーではカテキン類の組成比率が標準の鳥竜茶と類似していたが,ティーバッグ,ティードリンクスでは類似率からみてほうじ茶に近い傾向がみられた.