著者
桃沢 幸秀 寺田 節 佐藤 文夫 菊水 健史 武内 ゆかり 楠瀬 良 森 裕司
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
The journal of veterinary medical science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.69, no.9, pp.945-950, 2007-09-25
参考文献数
26
被引用文献数
1 18

ウマの不安傾向を理解することは、騎乗者にとっても獣医師にとっても重要である。本研究では、被験馬をよく知る管理者が気質評価アンケートに回答することで得られた不安傾向スコアと、行動実験から得られた結果とを比較し、不安傾向と関連が深い行動指標を探索した。各馬を新奇環境に導入後、ビニール紐を介して壁に繋留し、管理者が傍にいる状態で2分間観察したのち管理者が離れウマ単独の状態で更に2分間観察した。その結果、単独にされることで多くの観察データが変化したが、アンケート調査により不安傾向が高いと評価された個体ほど、心拍反応が高くビニール紐切断までの潜時は短かった。こうした傾向はメスでより顕著に観察された。以上のことから、新奇環境に単独でおかれた際の心拍数と切断潜時は不安傾向の指標として有効であることが示された。また行動実験と気質評価を組み合わせることで、他の気質項目についてもより信頼性の高い評価を行える可能性が示された。